テラーノベル
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─それは夢のはずだった。
シャランッ、と鈴の音が響いた。
視界が開いた時、そこは全面真っ白の先も見えない異空間。
何故か制服を着ている僕。
どこかで、ぽちゃんっ、ぽちゃんっ、と一定のリズムで水の音が響いていた。
水の影も鈴の姿も、ないのに、何故か鳴っていた。僕は一言も喋れなかった。沈黙が続く中で、水の音だけが鳴っていた。
そして、いつの間にか、僕は一歩、踏み出していた。
カツっ、と音がこの異空間に全てに響いたようにも聞こえた。
その時、僕の目の前の直線に沿って左右に黒い影が出てきていた。
何かを狙っているように、こちらを見ているようにも見えた。
その上で飛びかかる人影が何十人も見えた。
まるで、時間が止まっているように、静止していた。
顔は見えない。けど、同じ制服を着ているのが分かる。
ツインテールで指を人差し指と親指を出して銃の形にしている人、長い髪をパーマのようにしていて、バットを持っている物騒そうな人、綺麗な一直線の長い髪をもっている人。
─全員、何かを守っているようにも見えた。
………………………
……………
……
白い天井、ふかふかとしたベッドの上で、僕は目が覚めた。
何かを見ていて、そして、それが─大切なことだったような。
︎✿︎✿︎✿
僕の名前は白木結愛。
性別、女。中性的な見た目、そして、茶色のウルフ髪。
僕はものすごく、平凡で、普通で、今日から高校生になる、学生さんだ。
僕は制服を着て、ご飯を食べて、鞄を持って、靴を履いて、外に出た。
憧れの徒歩登校である。電車は人が多いから無理。自転車は地味に疲れる。なら、歩きの方がいい。
…でも、少し不思議な感覚がする。この靴を履いて外に出たのは初めてのはずなのに、一度だけ、あるような。
多分気のせいだな、。そう思って首を振った。
ごく普通で平凡な僕、白木結愛。
人見知りっていうほどでもなく、陽キャと陰キャの間のような感覚であり、夢女子でもあり、腐女子でもある、いわゆる、推し活少女である!(?)
んまぁ、、平凡すぎてつまらないというのもあるけれども、そこは仕方がないとしよう。
そして、言った通り、僕は初日の高校だ。
ひとつだけ心配なことといえば、そう、友達。僕はもう中学生の頃に友達作りというやり方を置いてきてしまったようだ。
携帯も変えてしまって、中学生の頃の友達は全員バイバイである。
なので、実を言うと友達は『ゼロ』である。なんとも悲しい事態なのでしょう。
「本当に馬鹿すぎる事態ね。」
そうそう、本当に……んぇ?
途中までは頷いた、のだが、知らない人が真横に一緒に歩いてる時点でアウトである。
しかも、……ん?しかも、声も出してないのに、普通に読心という異世界物語のあるあるやら、どっかのファミリー漫画みたいなことを平気でやってのけているのだ。
その人は、性別はきっと、女性。 白く長い髪に白いワンピース、地面の石で痛くないのか?と思う裸足。
そして、引きずり込まれそうな、綺麗な赤い瞳だった。
「あ?えと、……どこかで会ったことありますか、?」
つい敬語になってしまう。
そして、少し後退しながら。
「ん?会ったことはないわよ?」
まるでふふっと笑っているような笑顔で、逆に不思議になるほどに会ったことはないといいとげやがったのだ。
「え、じゃぁ、その、読心?というか、。」
「読心?あー、守護神の力みたいなものじゃないかしら?」
「守護神???????」
戸惑いながらも彼女に問う。
その問いた答えは「守護神」であった。
なんだか、真面目になっていた僕が少し馬鹿らしいぐらいだ。
「私は不思貴方の守護神よ。」
この不思というらしい。
その人、不思は胸元に手を当てて、ニコッと笑って見せてる。
そして、僕の守護神らしいです。……とはならねぇだろぉ!?!?!
「いやいやいやいやいや!?僕、霊感ありませんし!一度も幽霊なんか見えなかったんですよ?守護神だなんてそんな、厨二病みたいなことを言ってないで、働いたらどうでしょうか?????」
凄く早口に紛れて、失礼なことも混ざったが、まぁそれは多分バレてないであろう。
多分。
「年齢は飛ばすわね。」
さらっと飛ばされたんだが?
脳内でそう呟きつつ。
「私がここにいる理由はひとつ。貴方を助けに来たのよ。」
・・・となりそうなほど、ちょっとした沈黙ができた。
これはきっと、僕のせいなのだろうが、こんなジャンプ漫画あるあるの、誰かが「君を助けるためにここに来た。」みたいなことがあってたまるかと脳内爆発中である。
そして、頑張って出した声が、
「……ふぇ、?」
で、あった。
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