僕は昔からよく血を出していた。
鈍臭くて包丁で切ってしまったりこけてしまったり、、
その度大量出血するもんだからその血嫌々ながらにふき取ってくれる大人達の顔をよく覚えている。
やれやれと眉間にしわを寄せながらもふき取ってくれる大人が僕は好きだった、
大人たちの口癖は
「もう。またやったの?」
「お前ってやつは本当に鈍臭いよな」
耳に胼胝ができるほど聞いた言葉だ。
だけどいつの日かそんな言葉なんてどうでもよくなって更にけがする頻度が増えたんだっけ。。。
だがそんな僕も成人して一人暮らしをはじめた。
今はチェーンの飲食店でのバイトをしている。
ミスも多いけどバイト仲間はカバーしてくれたり優しい対応をとってくれる。
良い職場だ。
そして今日も22時ちょうどのラストオーダーを受け仕事を終えてから帰路についた。
その帰りに食料調達の為に遅くまで開いてる近くのスーパーに寄った。
今日の晩御飯は牛丼の予定だったので、牛肉と玉ねぎを買って帰った。
それといつも納豆に入れるネギを切らしていたのでカットされたネギを買おうと思ったが
売り切れだったのでしぶしぶカットされてないものを買うことにした。
スーパーから出て数秒後、僕らしい鈍臭さを発揮して何も無い所で勢い良く転んでしまった。
運悪くアスファルトのでこぼこした地面の上で転んでしまい今現在大量出血中。。。
こんな大量出血、人生で二度目かもしれない。
かなり一大事、だけど現在これと隣合わせで起きていることのおかげで痛みすら感じなかった。
なんと見知らぬ男5人が膝からとくとくと流れる僕の血を必死で舐めているのだ。
舐めているというよりかは飲んでいるという表現の方が正しいのかもしれない。
僕の頭には大きなハテナマークがたくさん浮かんだ。
人生初めての事で頭の中は大混乱だった。
「?!?!」
「なんなんでふか?!」
僕は焦りに焦って噛んでしまった。
気が済むまで血を吸われたところでその質問の返事は帰ってきた。
「見りゃ分かンだろ、血ィ吸ってンだよ」
赤髪の気の強そうな男が言う。
「ごめん、つい、いい匂いがしたか、ら」
謙虚そうな金髪の男が言う。
「吸血鬼なんだよね、ボクら」
男子小学生ほどの身長しかないピンク髪の男の子が言う。
「眷属でもない見知らぬ男から血を奪うとは、かたじけない。」
和風な緑髪の男が言う。
五人の中で一人、血を吸うのに夢中で質問に答えてないやつがいた。
けど貧血で視界がだんだん狭まってきた、
そこで俺の意識は途絶えた。
作者です!自我失礼します。
「できない僕と五人の吸血鬼」を読んでいただきありがとうございます。
こちらのキャラ五人の見た目が気になる方は最新話がでるたび更新されるであろう
「僕五のいろいろまとめ」にそのうちキャラ設定を上げようと思います。
次話の更新は近日中にします。
いいね&コメントうれしいです!
ではまた。