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「会いたい、……」
りうらのクッションを抱きしめながら呟く。
スマホを開き、通話ボタンを押そうとしたとこでやめた。
りうらは今、ゼミの合宿で頑張ってんだから。邪魔しちゃダメ。
そう頭では分かっているのに……
「3週間近くとか……、長すぎだろ……」
内藤ないこ、既に限界である。
最後に声を聞いたのはもう1週間、下手したら2週間前。
電話は今みたいに掛けるの躊躇っちゃうし。
声聞きたい……、匂い嗅ぎたい……、抱き着きたい……
溜まるものも溜まってるし……
「りうらぁぁぁ……」
ダブルベッドがいつにもまして大きく感じる。
りうらの枕に顔を埋め、思いっきり匂いを嗅いだ。
めっちゃりうらの匂いする。
……、けど、駄目だ、これ。
「めちゃくちゃムラムラする……っ//」
自慰も玩具も禁止されてるから出来ないし。
「あぁ゙ーもう!やめやめ!寝よ!」
寝たら治ってるだろうし、と考え寝ようとしたが、現在時刻は21:30。
寝れるわけがなかった。
そうだ、こういう時は素数を数えるんだ。
2、3、5、7、11、……
_ピロリン
「ぉわっ!?」
ふと、響いた着信音。
掛けてきたのは、りうらだった。
突然のことにテンパりながら、通話ボタンをタップした。
『もしもし、ないくん?』
りうらの声だ。通話越しだけど、りうらの声。
脳に染み渡る……
「りうらぁぁぁ……」
『どうしたのないくんw』
「寂しい……」
『りうらも寂しいよ』
『てか、それならなんで電話してくれなかったの』
りうらが少しだけ怒ったような口調で訊く。
「りうらの迷惑かなって……」
『そんなことないよ!実際忙しかったは忙しかったけど、ないくんのためならいくらでも時間割くし』
「そっか、ありがと……。りうらはなんで電話くれたの?」
『ないくんの声聞きたかったから』
唐突なイケメン台詞に、体温が上がる。
「なにそれ、ずる……っ//」
『ないくん今絶対顔真っ赤でしょw』
「うぅ、うるさい!」
顔熱っ……
ビデオ通話じゃなくて良かった、と心底思った。
『あ、そろそろ時間っぽい』
寂しそうなりうらの声色が聞こえてきた。
「そっか、……頑張ってね!」
もう終わりか。
あと一週間ほどりうらの声が聞けないことを惜しみながら、声援を送った。
『うん、ありがとう』
「あのさ、最後に一個だけ、我儘言っても良い?」
『……?いいよ?』
「帰ってきたら、えっちしよ……っ」
一言告げて、通話を切った。
「っ〜……//帰りた……っ」
コメント
2件
腐ッ☆ 無事4にかけたぜ☆
あ、神だ