『ん……』
目をゆっくりと開ける。
少し寒さはあるものの、野宿しているのなら十分なくらいには暖かかった。
『まふゆ…ってあれ、?まふゆは何処に……』
辺りをキョロキョロと見回す。
するとまふゆが校舎に入ってきた
「奏、おはよう」
「よく眠れた?」
『おはようまふゆ。お陰でよく寝れたよ』
『……?何してたの、?』
「外…何かないか見てた。」
「あ、もう朝ごはんにする?パン…あるから 」
『そうだね。……本当に、何から何までありがとう…まふゆが居なかったら私凍えてたかも…、、』
「……奏は何でココに来たの?」
まふゆはビニール袋から菓子パンを取り出しながら尋ねる。
『え…なんでだろう……』
『…前、ミステリーツアーでここ、来たから……その時の桜が綺麗だったし、またみたいな…って、、、』
「……そう」
「本当の理由は違うんじゃない?」
『え……、?何言って…、、』
「…本当は、ココの桜を見た後に自殺しようと思ったんでしょ? 」
『……!』
『何でっ…そんな……そんな、事…』
声が震える。
それに、完全に否定出来る訳じゃない。
最期にこの桜を見て、運が良ければロープを買ってきて木に吊るして……という事まではやんわりと考えていた。
なのに…
「……なのに、桜の木が無かったから出来なかったんでしょ?」
『っ…!』
まふゆには全部見透かされていた。
それに、勇気が出なくなったのもある
……言えないけど、、
「でも、桜の木…あったよ」
『え、!?何で…昨日は無かったのに…!?』
「……裏の方にあったよ。」
「場所、勘違いしてたみたいだね」
『そ、そうだったの…?』
「…見に行く?桜。」
『うんっ…行きたい……!』
私達は朝ご飯を急いで済ませた後、校舎の裏の方に向かった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『…本当にあった……』
「…懐かしいね。 」
「……前も、こうやって見てたね」
『うん…本当に、綺麗……』
この桜を見ていると、色々な思い出が自然と蘇ってくる。
苦しい事も、悲しい事も、嬉しい事も、嫌な事も、辛い事も、楽しい事も、……色々あった
でも、まだ誰も消えていない。
セカイも、壊れていない。
『……色んな事、あったね…』
「……そうだね」
「皆、初めはあんなに死にたがってたのに…段々、迷い始めてる」
『え…?』
「奏も、私も、絵名も、瑞希も……全員そうだよ。迷いが出てる」
『そう、なの…、、?』
「うん。…奏」
まふゆは私の手を取り、真っ直ぐな目で見詰める。
「……また…何処か、出掛けよう」
『へ…?何で急に……』
「もっと、思い出を増やして…嫌な想いを、消そう」
『、! 』
「……先に、居なくならないで… 」
「ニーゴは、私は、セカイは……壊れてしまうから、 」
まふゆは私を抱きしめた。
『っ……』
『……まだ、分からない、、』
『私にも、消えたいのか…分からない……』
「……」
『けど…、100日目になるまで、答えは待ってて欲しいな……』
「…勿論、分かってる」
「……それまでに、答えを出して。」
『うん……ありがとう、まふゆ』
私もまふゆを抱き締めた。
……答えを、出したいな
まふゆに、応えたい
74日目
昨日、ミステリーツアーで行った桜を見に行ったよ。
まぁ色々トラブルはあって野宿したりもしたんだけど…
あ、後……まふゆに会ったんだ
そういえば何でまふゆはここに来たのか聞き忘れちゃったな…今度会った時、聞いてみよう
奏
コメント
1件
まふゆも自◯しようとしたから奏がしようとしてることわかったのかな、、