テラーノベル
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手癖で書いてしまった
Side🍆
”””””””””””””””””””””
「泣いてください。〇〇さん」
小学校時代、演劇クラブの先生に言われた言葉が今でも頭から離れない。
昔から涙が出なかった。物心ついた頃、怪我をして泣かなかったことで両親はそれに気づいた。
何をしても泣かなかった。
心無い言葉を投げられようが、肝試しに行こうがロマンス映画を見ようが、それは変わらなかった。そんな自分にいつしか嫌悪を覚え、今ではヘラヘラ笑うだけが取り柄になっている。
自分さえも騙して生きている。平気なフリして、とっくに心は死んでる。
騙し騙し生きるのは悪いことなんかじゃない。自分を守るための手段だ。
あの人に抱いたこの恋心も、胸が張り裂けそうな痛みも、あの人に出会って世界が色づいた感動も。すべて虚構のように思えてしまう。
辛い、苦しい、寂しい。これならいっそ死んでしまいたい。心は空っぽのままで
いつだって真っ黒いナニカが底から覗いてるんだ。
きっとこれからもそうなんだろう。決して叶うことのないこの恋心に嘘をつき続け、乾ききった感情に押し付けた劣等感に苛まれて。
いつか演じた物語のヒロインのような、白馬の王子様のキスでこの呪いが解けてしまえばいいのに。
文字の羅列から顔を上げ、パタンと本を閉じてメンバーの顔を見る。皆が皆、良いとは言えない表情を浮かべていた。
これは思春期の学生が書いた創作物らしい。なぜそれを俺が読むことになっているのかは謎だ。短編がいくつも載った本をぱらぱら捲る。
「ぼんさんがそう思ってるわけじゃないってわかっとるんやけど…」
おらふくんがそう言ったのを皮切りに口々に呟き始める。
「聞いててめちゃ辛かったっす」
「ぼんさん…俺のキャラ付けとはいえ普段冷たくしてごめんなさい…。」
「悩み事いつでも聞きますから、一人で抱え込まないでくださいね」
皆が俺を心配しているのがなんだかおかしくて思わず笑ってしまう。
「なぁにを心配してんのよ。みんなのおかげでこの年になっても寂しくなってないの。これからもよろしくね」
そんなに怖がらなくても、俺はずっとドズル社のぼんさんだよ。
離れて行ったりしない。だって、俺にはもう居場所なんか残ってないんだから。
Fin.
#ネタバレ注意
8
ライラ🔮🌸🌙
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コメント
3件
うわ、重い……でもすごく刺さりました。涙が出ない自分を「空っぽ」って表現して、それでも笑ってごまかして生きてる主人公の苦しみがひしひしと伝わってきて胸が締め付けられました。最後に「俺はずっとドズル社のぼんさんだよ」って言うところ、あれだけで救われた気持ちになりました。みんなに心配されるのも、ぼんさんがちゃんとそこにいる証拠ですよね。続き、すごく気になります。