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「出雲から貰った手がかり通りに探すぞ〜。 」
阿須は、4人目の部員の手がかりを出雲から貰ったそうでその紙を見ながら周りを見渡していた。
「いや、俺らにはその手がかり見せてくれへんのかいw」
「そーだよ。阿須。見せてよ。」
阿須はそうだったと言うような顔をして、2人に紙を渡した。
「金髪でジト目の男らしい。セーターぶっかぶかでほぼ手が見えないって言うぐらいだし、結構特徴的だと思うんだよな。」
阿須が紙通りに説明した後、疾風が「ん?」と声を出した。
「あのさ、もしかしてそいつ、橘彗じゃね?」
「え?疾風、知ってるの?」
疾風はコクリと頷くが、遥人はピンと来ていない様子。疾風は遥人のその姿を見て、知っている限り橘彗について話した。
「橘彗っつー人間は、元々不良団のリーダーで喧嘩がえぐい強かったそうや。そして、とにかく弱いやつは嫌い。喧嘩で負けてきたやつは全員捨ててきたって言うぐらいやっばいやつなんやで。」
阿須がその話を聞いて、ゴクリと唾を飲み込んでから口を開いた。
「あ、あのさ。俺、そいつ知ってるかも…。」
「え?ほんとに?ていうか、なんで阿須が知ってるの?」
「俺も 元々不良団の副リーダーだったからだ。」
俺、朝霧阿須と橘彗はめちゃめちゃ仲が良かった。
「おい、お前。なんで負けてきてんだよ。」
「ご、ごめんなさいっ、彗さん!!」
「俺らの団に喧嘩に負けるヤツなんかいらねぇっつったよな??殺されてぇのかよっ!!!」
彗は、昔から仲間思いのはずだった。あいつの家庭環境が変わってから、彗も変り果ててしまった。他の不良たちの喧嘩に負けたら、俺らは半殺しにされる。俺が止めるまで、彗は止まらなかった。
「おい、彗。やりすぎなんじゃねぇのか。弱いやついらねぇつーんならそこら辺にしてさっさとそいつ捨てとけ。」
「うん。そっか。確かにそうだね。」
彗はそう言って殴り殺そうとしたやつをその場に捨てて去った。もっと優しいやつだったのに。なんでそうなったのか誰も知らなかった。
ある日、乱闘が起こった。俺らの不良チームと他の強い不良チームがぶつかった。
俺が勝てなくて、ボロボロになっている時彗は助けてくれたと思った。
終わったあと、俺は彗に言った。
「ごめん。彗。何も出来なくて。」
謝った。彗は振り向いてから、「来い」と一言だけ言って、建物の裏へ俺は連れてかれた。
「す、彗…?」
「なんでてめぇがやられてんだよ。強いって信じてたのに。俺ら最恐コンビだなって言ってたのに。」
「まず、大人に俺らが適うわけないだろ…。俺だってやられる時はやられるさ。 」
「もう、お前なんかいらねぇ。弱いやつはいらない。役立つ。死んじまえ。」
そう言われたあと、俺は記憶が無い。何か痛い思いしたのは覚えてる。目が覚めた時、俺の周りは血だらけだった。びっくりしていると、ザッと音がして横を見ると人が経っていた。
「おい、大丈夫か…?」
「誰だよ…、来んじゃねぇ…。」
「良いから。俺の家においで。手当してあげるから。」
その時拾ってくれたのは出雲だった。
何でもしてくれたけど、そこから彗の事は何も分からなくなった。
「なるほどな…。元々不良だったって言うぐらいなら、学校は未だまともに来てない気がするんやが…、どう探したらええねん。」
「とりあえず、もしかしたら来てるかもしれないから学校中を探してみてもいいんじゃない?」
疾風が頭をかきながら、遥人は提案し、とりあえず学校中を探すことに決めた。
「っしゃぁ、探すかァァ。ってか、待て!!思った!見覚えのある名前だって思ったもう一つの理由あるぞ!」
「ほんまにうるっさいねん!!お前!!でっかい声出さんといてや!! 」
「で、もう一つの理由ってなんなの?」
大きな声を出した阿須と疾風をほっておいて、遥人は冷静に質問をする。
阿須は閃いた!かのように話し始めた。
「このクラスの名簿にあった気がする。」
「「は????」」
3人で、放課後の教室で騒いでいる途中、あくびをしながら入ってくる生徒がいた。
「ふあぁ…。ねっむ。」
「あっ。」
入ってきた生徒は、金髪ジト目のブカブカの袖が目立つ男子生徒だった。
「お、橘。帰んの〜?今日、教室いなかったけどまたサボってたんかーww」
阿須が笑って話しかける。疾風と遥人は、揃って「ん??」と声を出した。
「待て、阿須。橘って、橘彗やろ???」
「うん、そうだよ…。ん??あ?!橘彗?!?!」
阿須が大きな声を出して、生徒に指を指した。
「そうだけど?今更話しかけてきてなに。俺、眠いから帰りたいんだけど。」
橘彗らしき男は、少しイラッとした様子で冷たく返事をした。
続