「 いるま 、 好き だ よ 。 」
「 いるま 、 こっち 見て よ 。 」
「 … いるま … 」
いるま から の 返事 は ない 。
ただ ぼ ~ っ と 壁 を 見詰めて いる 。
楽しい の かな …
「 離れない で よ … 」
俺 は いるま に 抱き つく 。
でも 、 いるま の 身体 は 生きて いる と は 思えない 程 無機質 で 。
「 やだ よ 、 いるま … 返事 、 して … 」
勿論 返事 は ない 。
「 … お 前 の せい だ から 。 」
不意 に いるま から 言葉 が 発された 。
「 え … ? だって 、 俺 は … っ … いるま が 俺 から 離れよう と する から … 」
いるま は いつも 俺 から 遠い ところ に 居る 。 今 も 、 こんな に 近く に 居る はず な の に 。 とてつもなく 遠い 距離 が 、 俺 たち を 隔てて いる 。
「 らん が 、 部屋 から 出なければ 。 俺 の こと を 信じてた ら 。 スマホ なんか 、 包丁 なんか 見つけなければ 。 」
「 … 違う … 」
「 壊した の は 、 お 前 だ ろ 。 」
「 違う っ ! ! 」
俺 じゃ ない 違う どう して 何で 信じて ほしい 裏切った の は …
俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ ない 俺 じゃ
俺 の せい な はず ない の に
「 俺 は やり直そう と してた の に 。 」
「 … 俺 の 話 、 聞かない から … だ よ 」
「 どっち が だ よ 。 」
「 … 喧嘩 なんか 、 したく 、 ない よ … 」
いるま は また 透き 通った 目 で 俺 を 見詰める 。
… どう して この 目 が 嫌い な の か 分かった 気 が した 。
「 … いるま … 俺 、 は … 」
「 こんな に 苦しい の に 」
「 何で そんな に 余裕 そう な の 。 」
心 の 奥 が 、 冷たく なる の を 感じた 。
俺 ばっかり 苦しい だ なんて 、 許せない 。
一緒 じゃ なきゃ 、 嫌 だ 。
「 ねえ 、 何で よ 。 」
「 ずっと 、 一緒 だ よ ね ? 」
いるま から 返答 は ない 。
俺 の 、 愛しい 人 。
もう 、 俺 の こと が 嫌い な 人 。
「 っ … 愛してる 、 いるま 。 」
君 の 最期 は 、 俺 が 見届けて あげる 。
そして …
目 の 前 に 、 真っ赤 な 海 が 広がった 。
いるま は 、 俺 の 前 で 崩れ 落ちて いる 。
「 … っ ふふ 」
そして 。
俺 は 、 いるま と 分け 合った 。
心 の 痛み も 、 身体 の 痛み も 。
どす 黒い 赤 が 、 混ざり 合って 。
「 これ から … も … ず ~ … っ と … 」
一緒 だ よ 。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!