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文化祭の翌日、紬は朝から落ち着かなかった。蒼太が、今日、話したいことがあると言っていた。一体、何を話してくれるのだろう?期待と不安が入り混じった気持ちで、紬は学校へと向かった。昼休み、紬は、図書室へと向かった。もしかしたら、蒼太が来ているかもしれない。そう思ったからだ。図書室の扉を開けると、そこには、蒼太が立っていた。
「紬、来てくれたんだな」
蒼太は、少し緊張した表情で、紬に話しかけた。
「うん。橘くんが、話したいことがあるって言ってたから」
紬は、少しだけドキドキしながら、そう答えた。
「ああ。あのさ……。紬と、話したいことがあって」
蒼太は、少しだけ間を置き、言葉を続けた。
「文化祭、本当に楽しかったな。紬と一緒に準備できて、本当に良かった」
「私も……。橘くんと一緒に準備できて、楽しかった」
紬は、顔を赤らめながら、そう答えた。
「あのさ、紬。俺……」
蒼太は、少しだけ声を震わせ、紬を見つめた。
「俺、紬のことが好きだ」
その言葉に、紬は息を呑んだ。予想はしていたけれど、実際に告白されると、頭が真っ白になった。
「私……」
紬は、言葉を失い、蒼太を見つめた。
「俺、紬と一緒にいると、すごく落ち着くんだ。本の話をする時も、暗号解読をする時も、文化祭の準備をする時も……。紬といると、俺は、素の自分でいられる」
蒼太は、真剣な眼差しで、紬に気持ちを伝えた。
「私……。私も、橘くんのことが好き」
紬は、勇気を振り絞って、自分の気持ちを伝えた。
「本当に?嬉しい……!」
蒼太は、嬉しそうに目を輝かせ、紬に近づいた。
「紬……。俺と、友達として、これからも一緒にいてほしい」
「うん……!」
紬は、小さく頷き、蒼太の気持ちを受け入れた。
2人は、図書室で、静かに微笑み合った。それは、2人にとって、忘れられない瞬間だった。
「そうだ、暗号解読の続きをしよう」
蒼太は、いつもの調子に戻り、紙片を取り出した。
「ああ、そうだった。この暗号、一体何を意味するんだろう?」
紬も、暗号解読に意識を集中させた。
2人は、再び、暗号解読に没頭した。そして、ついに、暗号の核心に迫った。
「この記号、古代文字の『共鳴』を意味する」
蒼太は、そう言いながら、紙片に書かれた記号を指し示した。
「そして、この数字の羅列は、本のページ数と関係がある。この数字を、本の目次に当てはめると……」
紬は、本の目次と数字を照らし合わせ、ある言葉を導き出した。
「『心の共鳴』」
2人は、同時に声を上げた。
「心の共鳴……?一体、何の共鳴が示されているんだろう?」
紬は、ドキドキしながら尋ねた。
「それは、俺たち2人の、心の奥底に眠る、共通の感情だ」
蒼太は、そう言いながら、紬の手を握った。
「共通の感情……?」
紬は、不思議そうに尋ねた。
「ああ。この暗号は、俺たち2人が、お互いの心の奥底に、同じ感情を抱いていることを示している」
蒼太は、そう言いながら、紬の目をじっと見つめた。
「同じ感情……」
紬は、蒼太の瞳に吸い込まれるように、見つめ返した。
2人は、暗号解読を通して、お互いの心の奥底に触れ、惹かれ合った。それは、偶然ではなく、必然だったのかもしれない。
図書室で始まった、秘密の暗号解読。それは、2人の恋の始まりを告げる、小さな冒険だった。そして、それは、2人の心の共鳴を確かめ合う、神秘的な力でもあった。
2人は、これからも、図書室で、お互いの心の共鳴を探し求め、物語を紡いでいく。そして、それは、2人だけの、心の物語となるだろう。