テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
2,593
298
·̩͙꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱·̩͙
むかしむかしあるところに、赤ずきんという、とても可愛ら…勇ましい大男がいました。
·̩͙꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱·̩͙
コレはまだ世に明かされていない、童話「赤ずきん」のもう1つの話である。
――ある日の朝。
「赤ずきん。おばあさんが風邪を引いてしまったみたいよ。コレを届けに、お見舞いに行ってくれないかしら?」
「分かった。届けに行く。」
そう返事をし、赤ずきんを身につけたのは――皆の知っている可愛らしい子柄な少女の赤ずきんではなく、正反対な大男の赤ずきんだった。
小さい頃におばあさんに作ってもらった赤ずきんを外に出る時絶対に身につけるため、皆からは赤ずきんと言われている。
本名は…まだ作中では明かされていない。
赤ずきんは自分の身体より遥かに小さいカゴを持って扉を開けた。
そのとき、番犬である大型犬を連れた猟師のお姉さんと鉢合わせた。
「あら、赤ずきんじゃないの。これからおつかい?」
「はい。お見舞いに行ってきます。」
そう聞くと、お姉さんは微笑んだ。
そして、少し目を細めて真剣な顔をして赤ずきんを見た。
「最近、オオカミがココの辺りを彷徨いているという噂を聞いたわ。気をつけて頂戴。」
「そうなんですね。わざわざありがとうございます。」
ペコリ、とぎこちなくお辞儀をした。
それを見たお姉さんは微笑ましそうに見たあと、「コレを言いに来たかったの。」と言い、踵を返して戻って行った。
·̩͙꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱·̩͙
――お見舞いの2日前。
オオカミのクセに、狩りができないらしいわよ?
前は猫に引っ掻かれただけで泣いてたとか…
ある森に、落ちこぼれのオオカミがいた。
ヘタレで、弱くて、オオカミのくせに貧相な身体。
父から呆れられ、母や親族から軽蔑されていた。
最近、赤ずきんって言われてる少年がいるらしい。
「よ、よーし!少年って噂だったし…僕でも狩れるかも!」
噂を聞きつけたオオカミは少しでも父や母に認めてもらうため、その赤ずきんがいると言われている森道を進んだ。
(おっ、足音がした…!さて、赤ずきんは――)
目を疑った。名前や、情報では「小柄で可愛らしい少年」というイメージがあったのだ。
実物は、ガタイの良い身体に小さな赤ずきんを被った大男がいた。
――え?マジ?
フリーズした。勝てる気がしない。
ましてや猫に負けるオオカミが挑んでいい相手ではなかった。
そのとき、茂みをガサリと鳴らしてしまった。
「?」
赤ずきんが茂みに近づいてくる。
心拍数がとんでもなく上がる。その心音でバレてしまいそうなほど大きくなっていた。
絶体絶命のオオカミが取った行動は――
「ご、ごごごごめんなさいッッ…!!」
蹲り、泣きわめいた。
オオカミの威厳が微塵もない、ただの弱者男性がココにいた。
赤ずきんは困惑して、オロオロとしている。
「ぼ、僕なんか殺しても何も楽しくないよッ!僕童貞だし、食べても美味しくないしッ、絶対高くも売れないよ!?!?だから殺さないでぇぇッ!! 」
ギャン泣きだった。
膝立ちになり、両手を前で握り赤ずきんを見上げている。
赤ずきんは「ぁ」とだけ漏らしてまだオロオロしている。
どうしたらいいか分からなかった。
子供をあやすときには「いないいないばあ」をしたら良い、と母から聞いていたため実践しようと両手で顔を隠す。
「は”*あ”*」
笑おうとして失敗していた。
口の端が不器用に上がり、目は片方ピクピクと痙攣していた。
赤ずきんの表情筋は絶望的だった。
「うわああぁぁ!!!ごめんなさぁあい!」
穏やかに晴れた木漏れ日の中、成人男性の情けない叫び声が再び森に響いた。
赤ずきんはさらに困惑した。
自分のせいで泣かしてしまったと思い、更に慌てている。
赤ずきんはまた何か思いついたのか、その大きな図体を少し縮こまらせてお花畑にしゃがんだ。
絵面は凄かったが、何故か妙な微笑ましさがあった。
そして、持ってきたモノは――
·̩͙꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱·̩͙
初投稿でしたが、どうでしたか?
弱者男性が好きなんです ^^;
コレはまた続編を出すので、フォローしてくれると嬉しいです!
できるだけ近日投稿出来るように頑張るので応援してください ^^
コメント
1件
うわあ、これめっちゃ好きです!「勇ましい大男の赤ずきん」って設定だけで笑ったのに、オオカミがヘタレでギャン泣きしてるギャップがたまらない…。赤ずきんが「いないいないばあ」しようとして笑顔に失敗するところ、脳内再生できて悶えました。この不器用な優しさ、続きが気になりすぎます!