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むずかしかった。
__________ꕤ.。
空がオレンジ色に染まっていく頃。
冬に入りかけの肌寒い風が誰も居ない屋上になびく。
手元には告白の文がつづられた手紙、所謂ラブレター。
「…はぁ、」
俺に想いを寄せてくれている人は俺が想いを寄せている人。
つまり両思い。
そんな人から告白されて嬉しくないわけがない。
でも口からは自然と溜息がこぼれてしまう。
「…あ、いるま!」
ふと屋上の扉が開いたと思ったら耳にくる上擦った声が聞こえた。
それは俺が大好きな声で俺が大好きな人の声。
「まだ残ってたんだね、笑 もう夕方だよ?」
「…それはらんもだろ?」
「あはっ、確かに、笑」
無邪気な笑顔でカラッと笑うらん。
俺が惚れた笑顔。俺が初めて守りたいと思えたその笑顔。
こんな他愛のない会話をするだけでも改めて気付かされる。
俺は君がどうしようもなく好きなんだなと。
「…ね、そろそろさ…告白の返事、聞いてもいい?」
「っ、…だよなぁ…笑」
今ここですぐに告白の返事が出来たらどれだけいいものか。
でもそれは出来ない。
らんは“アイス”。もし俺がジュースだったら…と考えたら軽はずみな発言は出来ない。
「…俺がアイスなの怖い?」
「……うん、めっちゃ怖い。 何か…なんだろうな…。返事はするな、って何かに止められてるような気がする、…笑」
自分でも信じられないくらい身体が震えてる。怯えてる。
“好き”。このたった二文字を言うことがとんでもなく怖い。
するとらんはふわりと優しい、でも心の奥底では何か企んでいるような、そんな不思議な笑みを浮かべた。
「俺はさ、例えいるまがジュースだっとしても…好きな人に殺されるなら本望だよ? 」
「…だろうな。らんならそう言うと思ったわ、笑」
「ふふっ、でしょ?」
もう…言ってもいいのかな。 俺の想い、伝えてもいいのかな。
どうせらんにはもうバレてるだろうし。笑
あぁ…何でこんなに悩まないといけないんだろう。 ただ好きな人に気持ちを伝えたいだけなのに。
ただ特殊体質が存在するだけなのに。
この世に特殊体質なんてものが無かったらもっと普通に幸せになれてたのかな。
もう考えても仕方ないか。
「どう?返事してくれる気になった?」
らんは…俺にとって、いつでも明るい気持ちにさせてくれる太陽のような、何にも代え難い宝物のような、大切にしたい、失いたくない、そんな特別な存在。
「…後悔、すんなよ?」
「うん、もちろん…!」
俺をこんなにも
夢中にさせてくれてありがとう
「___。」
「!……」
「…いるま、…ありがとう…!」
満面の笑顔で、でも目に涙を浮かべる君。
「…こちら、こそっ…ありがとう…っ、…笑」
鼻の奥がツンとする。視界がボヤける。
俺の頬には一筋の涙がつたっていた__。
__________ꕤ.。