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ラゼクの手が真っ赤になる。
ラゼク「雷黒の槍帝!!」
真っ黒な雷が槍に変わる。俺をハリヴァヌスに向けて放つ。ハリヴァヌスは避けようとするが、すでに金色の鎖がハリヴァヌスの体中に巻き付いて拘束された。
ラゼク「鎖金の魔封!」
鎖金の魔封により身動きが出来ないハリヴァヌスに雷黒の槍帝が直撃した。槍はそのままハリヴァヌスの体を貫通して後方にいるヴァシスに向かっていく。
ヴァシス「!」
しかし、ヴァシスは紙一重で避けて槍は壁を貫通して外に放たれていった。
ヴァシス「強力な技だな。生身で受けていたら俺もただでは済まなかったな。」
ハリヴァヌスの体に槍が貫通した穴が空いている。さらに黒い雷がハリヴァヌスの全身に感電し、ハリヴァヌスはそのまま倒れ込んだ。
ラゼク「約束は…守れよ。こいつを3分以内に倒せば貴様が相手してくれるんだよな?」
ヴァシス「まあ、そう焦るなよ。同座とはいえ、ハリヴァヌスを一撃で倒すとは俺も驚いている。…約束は約束だ。俺が相手になってあげるよ。だけど、お前に一言だけ言う事がある。」
ラゼク「貴様、この期に及んで逃げる気か?」
ヴァシス「まあ、聞けよ。そもそも、お前の目的は何だ?俺と対峙(たいじ)する事なのか?」
ラゼク「下手な時間稼ぎはやめろ。」
ヴァシス「おいおい、何の解決にもなっていないだろ。」
ラゼク「ふん。貴様が最初から素直に話すとは思っていない。ならば、ある程度動けなくさせてからゆっくり聞くとする。」
ヴァシス「はぁ。もう勘弁してくれよ。…でも、そこまで言われたらこれ以上何もいう気はない。後悔するなよ。お前が望んだ選択肢だ。…召喚師の名により召喚に応じよ。」
「吸魔の盾!断罪の剣!天輪の具!」
ヴァシスがそう言うと、空間に亀裂がはいる。亀裂の場所から盾と剣と鎧が出てくると、まるで意思を持っているかのようにヴァシスに装着されていく。
右手には剣を…左手には盾を…体中には鎧を装備するヴァシス。
ラゼク「それは?」
ヴァシス「すぐ分かるさ。この召喚器からどれだけ戦えるか見ものだ。」
そう言うとヴァシスは剣を構えてラゼクの元に走っていく。
ラゼク「流天の斬雨!!」
すると天井から細い針の雨がヴァシスに向かって降り注ぐ。ヴァシスは左手の吸魔の盾を構えると、細い針が吸魔の盾に吸収されていく。
ラゼク「!!」
ヴァシス「おいおい。余所見している場合か?」
いつの間にかヴァシスがラゼクの懐に入ると、剣を振るう。とっさにラゼクは手で防いだが、右手の断罪の剣の刃がラゼク腕をを切り裂いた。
ラゼク「くっ。」
ヴァシス「腕を切り落としたつもりだったけど、傷だけ?」
ラゼク「鋼層(こうそう)の装衣。」
ヴァシス「おいおい。どれだけの能力持ってんだよ。ん?」
ヴァシスの両足が地面に沈む。
ラゼク「地沈(じちん)の塊忌(かいき)。この攻撃に範囲は短い…貴様が攻撃した隙に能力を使わせてもらった。さすがに、ゼロ距離なら避けられまい。雷黒の槍帝。」
ヴァシスに雷黒の槍帝が直撃する。真っ黒な雷がヴァシスの体中に流れた。
ヴァシス「ぐぁぁぁぁぁぁ。」
すると、いきなり爆発してラゼクとヴァシスは互いに吹き飛んだ。煙が立つ中互いの姿が見えない中、ラゼクは立ち上がる。煙が晴れるとヴァシスは立っていないと思い込んでいたラゼクだったが、その期待を裏切るかのようにヴァシスも立ち上がっていた事に驚いた。
ラゼク「直撃のはず…なぜ貴様は立っている?」
ヴァシス「お…お前には…驚かされてばかりだよ。この…吸魔の盾を破壊する程の威力とは…。ハリヴァヌスが一撃で沈められるわけだ。」
すると、ヴァシスは手に持っていた断罪の剣を地面に突き刺すと断罪の剣と天輪の具が解除されたように消える。
ヴァシス「戦っておいて…悪いが、終わらせてもらうよ。同座同士でこれ以上命を奪い合う必要もないしね。」
ラゼク「待て、逃げる気か!!」
ヴァシス「逃げる?…冗談はよしてくれ。本気で殺り合えばお互いこの程度では済まされないよ。それに、この騒ぎで聖女王の配下の魔女達も、さすがに気が付いてこっちに向かっている。お前もこの島に用事がないなら早々に立ち去った方がいい。」
ヴァシスは新たな召喚物を出して空を飛んでその場を立ち去って行く。ラゼクは目を閉じて生態系反応を確認する。この城の地下に多くの生体反応と地下への道(ルート)を確保する。
そして、ラゼクは聖女王の身代わりでヴァシスにやられ倒れている女の場所に行くと女の首からペンダントが出ていた。そのペンダントの中をを見ると、この女性がタンゾウと写っている写真だったのだ。ラゼクはこの女性がタンゾウの言っていた一人娘だと知るとラゼクは腰を落として呟く。
ラゼク「…身代わりとはいえ、守ってやれなくてすまなかった。」
そう言いラゼクは地下に通じている地面を破壊して地下へ通じる階段があり、下へと降りて行くと牢があった。牢の中は多くの若い女性が監禁されていた。
「だ…だれ?あなたは」そう言う声が聞こえる。
ラゼクは「助けに来た。」
ラゼクがそう言うと牢の扉を素手で破壊すると女性達は歓喜し、牢から出て階段を登り地上へと向かう。しかし、そこで待ち構えていたのはルルーシャ以外の五名の門番魔女だった。
アヴィラ「貴様ら!どうやって牢から出てきた!?」
すると、ラゼクが五名の魔女達の前に立つ。
アヴィラ「どうやら主犯はお前のようだな。楽に死ねると思うなよ。」
ラゼク「ああ。そうしろ。俺は今虫の居所が悪いんでな。手加減なしでやらせてもらうぜ。」