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私の大切な妹が誘拐された。
『梵天誘拐』『目的はお姉ちゃん』『逃げて』
妹から送られたメッセージ。いつ、どんな時でも私のことを思う妹が本当に大好きだった。
中学を卒業した3月。両親が死んだ。15歳の私と10歳の妹、そして現金1千万円を残して。
私は公立の高校に合格してたし、妹はまだ義務教育だから学費はそこまで高くない。でも私たちには身寄りがない。妹は小学生、私は4月になるまでバイトが出来ない。そしてある程度安定した給料が無いと部屋を借りられない。
それからは早かった。死にものぐるいで仕事を探した。部屋を借りられるまで、仲が良かった先輩の学生証とメイク道具で男装メイクをし、比較的安いラブホで生活した。
幸せだった。妹さえ居れば良かった。なのに…..
梵天といえば、最近世間を騒がせている日本最大の犯罪組織であり、両親の元職場だ。
両親はいつも言った。梵天には関わるな、と。
「君が結彩ちゃんのお姉さん?」
この男は雑魚だ。両親が言っていた警戒すべき幹部じゃない。私の直感がそう告げた。
「そうです。両親はもう死にました。私たちは、梵天には関係ないはずです。妹を返して。」
「君の両親は俺らが殺したの。梵天を裏切って逃げたからね。さて、僕と一緒に来てもらうよ。」
私は男の腕を折り、銃を奪って手足を撃った。車に乗り、目的地を梵天のアジトに設定。交通規則を絶妙に破りながら運転した。
「お姉ちゃん、何で来たの………..っ!」
「見捨てたりしないわ。たった一人の家族を。」
特に何か暴行を加えられたわけではなさそうだった。服もはだけていない。良かった。
「くだらねぇ姉妹ごっこは済んだか?」
結彩の縄を切ろうとした瞬間、頭に銃口らしき物を当てられた。声からして男。あ、屈んだ。ピンクの派手髪。長い。男の立ち居振る舞いはどことなく気品を感じさせる。
「何故、妹を誘拐したんですか。なんで、なんで妹だったの……..!」
「結彩ちゃんは、小学生だから役に立たねぇの。かと言って美彩ちゃんを誘拐したら結彩ちゃんは生活に困っちゃうでしょ。」
短髪の男が淡々と語る。横にはそっくりな顔の男が髪をくるくると指に巻いている。兄弟か。
「なら、一体何が目的なのよ……..!両親が裏切ったなら私たちも同罪?笑わせないで!!」
「最近のガキは面倒だなぁ。単刀直入に言うと、梵天で働いてお前らの親の借金を返せ。以上。」
は、借金の返済?梵天で働け?そんなことのために此奴らは妹を怖い目に合わせたわけ?
「…..普通に言ってよ。お金なら返す。いくら?」
ちょうど1千万円。
𝙴𝙽𝙳
補足】
やってんなぁ……..って感じですね😔💦
ちゃんと借金返しきった頃には美彩ちゃんも結彩ちゃんもいい女になって、いつか梵天の誰かと結婚しそうですね。人の努力とかめっちゃ見てる良い上司代表の春千夜くんとか。(偏見)