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さいこうです!! 神々廻さんやさしいw
テーブルには三人分の昼食が並び、静かな店内に箸やスプーンが触れる音だけが響く。
「……直ちゃん」
向かいに座る神々廻が、怪訝そうな顔で直の手元を見つめた。
直はまるで幼児のような握り方でスプーンを持ち、カレーをすくおうとしている。
さらに、箸に持ち替えると……なぜかペンを持つような独特の持ち方で刺身を摘もうとしていた。
「……なんやその持ち方」
神々廻が思わず指摘すると、直は一瞬神々廻をチラリと見た後、スプーンをカチャリと皿の上に置く。
「こうした方が手が汚れなくていい。神々廻さんも真似していいよ」
「アホか」
直が反論するなりすぐさま神々廻が言い返す。神々廻はテーブルにあった割り箸を手に取り、正しい持ち方を見せる。
「ええか、こうやって持つんや。で、こう動かす。直ちゃんの箸の持ち方見てると、見てるこっちが気になってしゃーないわ」
「えぇ〜……めんどくさい……」
「めんどくさいじゃないねん、覚えてくれへんと」
しぶしぶ直が箸を持ち、ぎこちないながらも神々廻の指導通りに動かす。
「南雲、お前なんで直させんかったんや」
神々廻が南雲に向き直ると、南雲は口元に手を当て、悪びれる様子もなく笑った。
「え〜、だって可愛かったんだもん」
「……は?」
「お前な……俺は直ちゃんの世話係ちゃうぞ……!!」
「でも、ちゃんと直してくれてるじゃん。やっぱ神々廻って優しいよね〜」
「お前はそれをやるべき立場の人間やろがい!!!!」
神々廻の怒号が楽屋に響く中、直はフォークをクルクル回しながら、心底どうでもよさそうな顔をしていた。
「直ってさ、普通に持てる時もあるけど、疲れたり考え事してると変な持ち方になるんだよね〜。でも、そういうところも可愛いし、本人が嫌がってないなら別にいいかなって」
「いや、良くないやろ!」
神々廻は呆れたようにため息をついた。
「お前ほんまに過保護やな。いや、もはや放任か?」
「どっちでもいいよ〜」
南雲は軽く流すように言いながら、向かいの直を見る。
「ほら直、気にしないで食べなー。ほら、あ〜んして」
「いらない」
直は不機嫌そうにスプーンを持ち直し、また独特な握り方でカレーをすくった。
それを見た神々廻は、再び大きなため息をつくのだった。