テラーノベル
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「じゃあ、見ててください」
そう言って彼女は芝のコースを駆け抜ける
いつも通り、自由に
「はぁ、はぁ、」
『…』🚬
(ブラックジャスパー…)
(走り方にも気迫あんな、)
『…あいつ、どっかで、…』
「はぁ、どうでした、?」
呼吸が荒い、しかし、疲れた様子は見せない
『…お前の走りじゃ、上には通用しない』
悔しそうな表情をする。
しかし、真っ直ぐにこちらを見つめている。
「…改善点とか、ありますか」
勝ちたい、走りたい、そんな渇望をぶつけられているような気がした
『…お前の走りは、脚に負担がかかる』
いつの間にか、夢中になって説明をしていた
やはり、まだどこか勝たせたい気持ちがあるのかもしれない
一通り話終わり、こちらを貫く瞳を見つめる
「…あの、」
『なんだ』
「…俺の、トレーナーになってください」
そう言って、彼女は深く頭を下げた
『…懲りねぇな、だから俺は___』
「気づいてないんですか」
『…何を』
「説明してる時の表情、楽しそうでしたよ」
そう言って彼女は顔を上げ、優しく微笑む
「夢なんかなくていい」
「ただ、俺の走りだけを見ていて欲しい」
『…』
(コイツ、観察力も気迫も完璧だ)
(…こいつなら、)
『…見るだけだぞ』
「!、ありがとうございます!」
嬉しそうに顔を輝かせ、再び深く頭を下げる
『明日からトレーニングを始める』
『それまでしっかり休んどけ』
「はい!」
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