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花餐症

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花餐症

1 - 花餐症

♥

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2025年07月17日

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歌詞パロ、死ネタ含まれております


🐙🌟『』


👻🔪「」

となっております


それでは



















‌ ‌ ‌ですからもしもこの天の川が

‌ ‌ ‌ほんとうに川だと考えるなら、


‌ ‌ ‌その一つ一つの小さな星は

‌ ‌ ‌みんなその川のそこの砂や砂利の粒にも

‌ ‌ ‌あたるわけです。


‌ ‌ ‌つまりは私どもも天の川の水のなかに

‌ ‌ ‌棲んでいるわけです。


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「切符を拝見いたします。」


「さあ、」


「これは二.五次空間の方からお持ちになったのですか。」


「何だかわかりません。」


「よろしゅうございます。」


「おや、こいつは大したもんですぜ。」


「こいつはもう、ほんとうの天上にさえ行ける切符だ。」


「天上どこじゃない、どこでも勝手にあるける通行券です。」



彼らが天国に行けるように祈っていてください。












病室にて、オレはベッドに眠る星導に声をかける。


「天国は遠いなあ、星導は如何惟う?」


息を引き取った彼に言葉をかける。当然、声なんか返ってくるワケでもないのに希望を持ってしまう。天国は遠いからこっちの世界へと戻ってきてくれないか、『天国遠すぎたんで戻ってきました〜』なんていつものおちゃらけた笑顔で言ってくれないだろうか。






あの日はオレが星導と付き合い始めて初めての夏祭りだった。藤色と所々に水色が入った綺麗な髪の毛はいつも下ろされているのに今日という日だけは結ばれていて、星導の顔がよく見えて火花が上がる瞬間を見上げる星導が儚くて綺麗で見惚れてしまっていて__突然悲鳴が上がった。不注意で川へと落ちてしまった子供が溺れているのが視界に入り、頭で状況を理解した頃には横には星導は居なくて、川へと飛び込んでいく姿を捉えた。川にタコなんて生息していない、かつ泳げないと言っていた星導が。嫌な予感と焦りを感じて川へと飛び込み救助をしたが予想もしなかったことに川は深くて、意識が途切れた。


目を覚ました時には病室で、辺りを見渡しても星導は居なくて。病室に入ってきた伊波とカゲツ達は泣いていて、イヤでも状況を察してしまう。


「嗚呼、星導は…」


そう言葉を零した。








霊安室で眠る星導を見ながら自責に陥る。

川が深いことを考えず飛び込んだオレの不注意で自らを犠牲にしてしまった。オレが意識を失わなければ、ちゃんとしっかり考えていれば…そうしてひたすらに微笑えない冗談を積み上げては壊し続けている。


でも、もし星導が戻ってきてくれなかったら、オレの生きてる価値など無価値に近くなってしまう。だって星導が生き甲斐だったから、星導が居たからこそ毎日頑張れていた。それがオレの知らない星導になっていたって。だから、最低なのは分かっていても星導が居ない世界など意味が無い、死んでしまおう。と思い始めた。が、そう簡単な話ではなかった。仲間だって居る。ヒーローという胸の張れる立場を持って、それをすっぽかして死ぬなんて無責任な話だ。だから葛藤してしまう、星導の命とオレの命。



感情論理を考えを巡らせて 、


最終稟議に最後の決断を迫られて 、


妄想癖をあれこれ想像して 、


利益管理というオレと皆の命を比べて 、


錆びた審美で訳が分からなくなって 、


熟れう甘美が自分を優先してしまいそうになって、



溟い想像が星導の死を想像して 、





「棄て切れねえよ…」




そうして、苹果を食べては夢を見て、ずっと夢を見る。


永遠に覚めないようにと願って夢へと入ってしまう。この現実から逃れる為に、目を逸らしたいものを直視しないように。












私は、

神様の御ありになる天国に

人間如きが征けるとは到底、思えません。

I think it’s just go


無駄な労力になるだけだと思うよ










死後幸福なんてウソだ、そう信じて生きてきた。それを星導の前でも語ったことがあって、‘‘死んだ後も幸福なんてないと思うんだよな。きっと何も無い辛く報いもなければ暗殺者なんて肩書きを持つオレはきっと地獄行きだと‘‘だからさ。遠い天国なんて行かずに オレと此処で話そう、天国になんてまだ到底行けてないだろ?まだ未練があるだろ…?


そうして目を開ければ、いつもの鉄道内。少し古びた、でも安心感を覚えてしまうようなこの鉄道にはいつも通り星導が居て。それと全く一緒の顔が見えない人と称していいのかも曖昧なモノ。オレはずっとここに居たいと思えるんだ、何も暗いことは考えなくていい。だって落ち着くから、星導の横に座り話し始める。



「なあ、本当の幸い」って、なんだと思う?と目の前に座る星導に問い掛ける。そうすると彼は 『オレは ライ含めて7人が 本当に幸せになるなら、どんな事でもするよ。でもさ、どんなことがみんなの幸せなんでしょうね〜、』と 足を揺らしながら 言えば続けて 『まあ、オレはわかんない。でも、誰だっていいことをしたら、1番幸せになれんじゃないかなって思うんですよね。分かんないですけど』と言った。

だからオレは、彼が言うことに頷くしかなかった。だってオレは星導が言うことが間違ってないと思ったから。それは星導自身が適当なことを言っていたとしても。オレはそれで良かった。

でもそこに 顔の見えない誰かが 「オレもわかんねえな、ほんとうにどんな辛いことでもそれが正しい道を進むことに必要な出来事なら、峠の下りも上りもみんな本当の幸福に近付く一足ずつだからな」と言うのだ。声にモヤがかかっていて、顔など見えないヤツから言われたら普段は噛み付くだろうが星導が横に居るのもあるのだろう。オレはそれにまた 頷く。それも間違っていないと思ったから。



この夢から覚めない事を祈る。星導の死を心の奥底では受け止め切れず星導との別れを決意出来るとは思えないから ____ 。




目を開ければ星導と2人っきりになっていた。いつの間に眠っていたのだろうか。


「2人っきりになったな、」と 手を取り見詰める。「なあ、オレ星導の為ならなんだって出来るからな。御前の為になにかすることがオレの幸い。」と言えば、『っはは、オレだってそうですよ』と返してくれる。でも、それが本当の幸いなのかやっぱり信じ切れなくて、


「ほんとうのさいわいって一体なんだろうな」と告げる。


それに星導は 、 困ったような顔をして 。 でもオレが大好きな触れれば消えてしまいそうな儚さのようなものがある笑顔で


『オレとの別れを決意すること?ウソです。オレにも分かりません』なんてウソにしては悪趣味すぎることを言っていいつつも分からないと笑う彼に「ンな…簡単に言うなよ」と笑い飛ばすつもりだったが声が思った以上に出なくて泣きそうになる。


『ごめんなさい、正直オレも小柳くんと離れ離れになるのは嫌です』


きっと星導はオレの為を思って言ってくれたのだろう。でも、やっぱり星導との別れを決意することは幸いとは思えなかった。



なあ、もしオレが本当の幸いを見つけたら 星導はきっとオレを褒めてくれるかな。凄いねって言ってくれる?きっとそうしてくれるよな。オレ 幸い探しに行くよ。


だからさ、星導待っててよ、銀河鉄道で 。


見つけ出したら オレ またここに来るから ___ 。






そうして目を覚ませば、「藥效成分」、「芳香臭」、「眞赤に點滅るネオンライト」

匂いや光。色んなものが煩わしい。ここは手術台の上?いや、そんなことはどうだっていいか。



なあ 、 幸い見つけられるかなあ。

やっぱ不安だわ 。


すぐ隣にはオレを見る星導が居て、麻酔で動かないカラダを無理言わせて手を伸ばそうとする。だが、それは幻覚だったようで 瞬きをすれば消えてしまった。でも、死の淵に立ったオレが幸いを探しに行くことを 頑張れって励ましに来たんだよな 、 星導 。


オレ頑張るから、見てろよ 。 そうしてまた目を瞑った、次に目を覚ました時には幸いを見つけられますようにと 。














小柳くんの為になら、オレはアンドロメダになっても構いません。そう願って、水の奥底へと沈んだ。小柳くんが幸せならそれでいいんです、そうして意識を失った。


次に目を開けた時には、汽笛が鳴る。それはオレが死んだ証。昔、聞いたことがあるんですよね、死んだ後に誰かとまだ一緒に話したい、まだ一緒に居たいと願った人がいると銀河鉄道に行けるんだよ、って誰かから聞いたんです。まあ覚えてないんですけど。


まあ要するに、小柳くんの為にって言っておいてオレはまだ生きたかったみたいですね。なんて身勝手な男なんでしょうオレは。小柳くんは多分きっと辛かったですよね、置いていってごめんなさい。だから、夢で銀河鉄道に来てくれませんか、まだお話出来ることを願っています。


その上、銀河鉄道はとても綺麗で素敵な旅が出来るものだと思っていました。


だけど、そんな綺麗じゃなかったみたいです。



马兰花(アイリス)に覆われた硝子窓、戦争をも思わせるような荒廃した駅。

物静かなこの箱庭には 甘いエチレンで腐り果てていました、イーペルのように。


その光景にオレは 1つのことを思う。 小柳くんがこんな場所に行かなくて良かった、こんな景色を綺麗な小柳くんの目に映らなくて良かった、と思った。

綺麗な目にこんな荒れ果てた場所は映しては行けないから。オレ、小柳くんに見せないでくれてありがとうって褒めてもらえませんかね。そんな変な希望を持ちながら薄暗い道を歩いていく。


そんな中で周りを見渡しているうちに ひとつのホームで足を止めてみれば 今では中々見ないような汽車が目の前で停まった。嗚呼、これが言っていた銀河鉄道というやつですか。そう考えていると中から顔のない人が出てきて、1人じゃなく2人。いや人と数えていいのだろうか、でも少し身構えると 丁寧が口調で敵意など全く感じさせない様子で



「切符を拝見いたします。」 と 手を差し出される、


オレの片手には 銀河鉄道 南十字行きと書かれた切符が握られていて、多分きっとこれを差し出せば乗れるのだろうと判断をして笑顔で差し出した。 小柳くんの夢の中で 銀河鉄道へと乗り込み、話すことを楽しみにして。


「さあ、」


「これは二.五次空間の方からお持ちになったのですか。」


「何だかわかりません。」


「よろしゅうございます。」


「おや、こいつは大したもんですぜ。」


「こいつはもう、ほんとうの天上にさえ行ける切符だ。」


「天上どころじゃない、どこでも勝手にあるける通行券です。」




そう2人の会話を聞いているうちに、手に握られていた切符が 特別な珍しいものだったことを知りました。うーん、そんな珍しいものが何故オレが…?まあそんなことはどうだっていいでしょう、運が良かった。ということでね。





そうして乗り込むのだ、銀河鉄道へと。

中には顔が塗りつぶされた人。2人は手を繋いでいて、顔が見えなくとも幸せそうだった。その光景を見て ライが愛おしくなってしまう、

いいな、あの二人みたいにボクもライと手を繋ぎたい。そう思いながら座席へと座る、ふかふかとしていて夢の中にいるみたいな感覚がした。


静かな空間、止まった時間。そしてゆっくりと動き出した、そして止まった。

今まで開かなかったドアが開いたんです、そこにはオレがずっと会いたかった人が立っていた、少しやつれた気もするけど相変わらず綺麗な顔をした小柳くん、オレの大好きな人が。




『小柳くん』と、席から立てば 顔を塗り潰された人が 『「いらっしゃい」』と声をかけた。初めて声を聞きました。この2人の。声がくぐもっていて、聞き取りにくい。何者なんでしょう、この2人。でも小柳くんも同じことを思ったみたいで驚いてる顔をしてますね。可愛いかもしれません。でも直ぐにこっちを向いて 「星導、やっと会えた」と笑顔を向けてくれて。

泣きそうになりました、オレも 『遅いですよ。ウソです、嬉しい』と返せば 小柳くんは抱き着いてくれた。その後に啜り声が聞こえて、小柳くんもオレと同じ気持ちだったんですかね。と思えば、オレも抱き返した。その時に小柳くんから少し甘い香りがしました。なんの匂いなんでしょう。


その日から 小柳くんはよくここに来るようになりました。でも、ここに来るっていうことは 小柳はさ、いつも眠っているってことなんですよね? 小柳くんさ、やっぱり此処に居ちゃいけない気がするんです、アイツらがまだ居るでしょ?やっぱり良くないですよ、起きて、ほらここに居ないで。と心の中で思うけど、やっぱり小柳くんが居るのは嬉しくて。そんなこと言い出せなくて、そして小柳くんが 〈ほんとうのさいわい〉を探すようになった。それにはあの2人も来てみんなで話し合いました。


そして考え込むうちに小柳くんは寝ちゃった、そしてその間にあの2人は降りて行っちゃいました。南十字で、『後悔しないようにしてくださいね』「騙されるなよ」と 言葉を残して。


寝ている小柳くんからは医療などで使うアルコールの匂いがして。此処に居る水面下で手術が行われているのを嫌でも勘づいてしまった。小柳くんはまだ生きれる見込みがあるのならば、やっぱりオレは小柳くんとの別れを決意する選択をした方がいいのかもしれません。


そして目を覚ました小柳くんと少し話せば、自信満々に「本当の幸いを見つけてくる、」なんて言うから応援してしまう。


でもさ、やっぱりさ。見つけなくていいからずっとここに居てください。オレはやっぱり1人は寂しいです____。



[こんなせかいどうして…]











病室で目を覚ます、その瞬間に涙が溢れた。

やっぱり星導の居ない世界は怖くて、信じられなくて、希望なんてものは持てない。



『「こんなせかいどうして??」』と、疑う。



やっぱり幸いなんて見つけられる自信がなくなってきた、星導が居ないとオレは何にも出来っこない。

責めてくれたっていい、言ったことと違うって叱ってくれたっていい困ってる人助けろ!って言われてもいいからさ。今すぐ星導の所に行ってもいいだろうか?


なんて、 透明な言い訳を零して。




そうして、オレは退院後に 自宅に戻った。


そして苹果を食べた。星導いまから行くから、お揃いの指輪を嵌めて川へと飛び込んだ。御前が死んだ場所と一緒。

頭の中では、星導と遊園地に行ってメリーゴーランドに乗った記憶。一緒に渋い顔をしながら珈琲を飲んだ記憶。色んな記憶が蘇って、死んだ後も御前と思い出作れるかな、なんて思いながら目を瞑る。皆、ごめんオレは一足先に逝きます。一生恨んでくれたっていいから許してください。この行いを。本当に最後のお願いです。



『ねえ、 銀河鉄道 迄 迎えに来て?』



そう言って、オレはブルーシートのウエディングドレスを纏って そう願った。そうして目を覚ませば 銀河鉄道の中に居て星導が言った。 「迎えに来た」とそうして 銀河鉄道は動き出した。死を意味する場所、南十字てんごく へと、2人で手を繋いで 、 エチレンの匂いがする苹果を食べながらそれまでお話しよっか。

もう離れず、ずっと一緒だからな。




エチレンは植物ホルモンの一種で、果実の成熟や老化を促進する働きがあります。




ほんとうのさいわい = 2人が永遠に離れないこと











オレは、遺体安置室にて 星導の腕に縋り付き頬を撫でた。そして 星導の左手薬指にお揃いの指輪 という名目の 結婚指輪を嵌める。


「結婚、しような…」としゃがみこみ 一人泣いた。



斯の狭い部屋で 頬を沿った理由は ?


貴方 。










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