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「結子も年下ゲットしなよ」
「あ、それいい。貴文さんに見返してやりな」
「えー。年下なんて頼りないじゃん」
「そのやけ酒付き合ってくれた後輩くん、どう?」
「どうって、あいつは恋愛対象外だよ」
もう、ほんと自由。好き勝手なこと言っては笑う。
確かに貴文に見返してやりたい気持ちは無きにしもあらずだけど、だからって年下で対抗することはないでしょ。私なんてもう今年三十歳になるし、年下から見たらおばさんじゃん。いやー、考えただけでも嫌。恐ろしい。
「まあとりあえずマフラーは返さなきゃ」
「新しいのプレゼントしなって」
「そう? でも思い入れのあるものだったら困るじゃない。例えばおばあちゃんに編んでもらったものとか」
「何、手編みなの?」
「ううん、普通のウールのやつ」
「なんだよー」
あはは、と笑う。あー楽しい。
その後も他愛のない話をして、麻耶と綾音の妊娠の話もいろいろ聞いて、充実した忘年会を過ごした。
今年ももう終わりか。案外一年って早いなぁ。
お会計をして外に出ると、麻耶も綾音も旦那さんが迎えに来ていた。二人共妊婦さんだもんね、優しい旦那さん達にほっこりする。幸せそうな二人が見られて満足だ。お腹いっぱい。
年末らしくなかなか冷える。それなのに長峰のマフラーを返していないのが気に病んだ。
防寒具、ひとつ奪っちゃってあいつ凍えてないかしら?