「」アヤメ 『』ショウタ
「…はぁ、はぁ、」
僕はずっと逃げ続け、屋上に向かった。
ギイッと言う音を立てて屋上のドアが開いた。
『……はぁ、はぁ』
どんどんショウタの声が聞こえるようになったが、そんな事はもうどうでも良かった。
『はぁ…ア、ヤメ、!!』
いつの間にか追いついていた。僕は、ずっとうずくまって泣いていた。
「……が悪い、」
『へ、?』
僕は、ずっと言いたかった事を漏らしてしまい、もう止められなかった。
「…男の子っぽくて何が悪い、ズボン履いて何が悪い、保健室に逃げて何が悪い!!………
……変で、何が悪いの、?」
『……』
言い終わったあと、ショウタは俯いていた。そして、
『……ギュッ』
優しく、抱きしめてくれた。
「……ありがとう。でも、ごめん。もう、終わりにしたい。」
なるべく笑顔で、涙を堪えてそう言った。
『…うん、俺も。アヤメと一緒がいい。』
「…分かった。」
僕達は、柵を乗り越えた。思った以上に怖くなって、足が震えた。でも、ショウタはずっと手を繋いでいてくれた。
『…大丈夫だよ。神様も、この世界に生まれて来てしまった俺達を、これから死んでしまうことも、きっと許してくれる。』
「…うん、離れないでね。」
そして、…僕とショウタの日々は、終わりを告げた。
中学校生活、初めての制服、初めてのランドセルじゃないバック、全てに…
さようなら
〜翌日〜
-速報です。午後17時37分頃、〇〇学校の二人の生徒が、屋上から飛び降り自殺をして亡くなりました。どちらも自殺をした理由はいじめと考えられており、警察も調査を進めております。
コメント
2件
良かった!
感動した!(T ^ T)