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「おっそーい!」
キラキラなエクステをつけた彼女の髪が揺れた。
あのときの綺麗な茶色の髪はどこかへ飛んでいってしまったらしかった。
ピンクと青の派手な髪に、金色の大粒ラメのエクステ。
「もっとはやく来たらいいのに、彼女の頼みだし。」
横の男は金髪だった。
きれいな肌だ。
とても凛々しい顔つき。
服のセンスもいい。
僕なんかとは段違いだった。
好意は持てなかったけど、とてもいい人に見える。
「そうですね…。かわいい彼女の頼みだから、急いできたんだけどな。ありがとうございました。さ、乗って。」
「はぁ、これだからこのバカ彼氏は使えないのよ。やっぱり乗り換えようか。」
あー、本音がでてる。
まあ今さらって感じだけど。
「まあまあ、許してあげろって、無能な彼氏さんをよ。」
金髪の男は笑ってどこかに行ってしまった。
夜道を赤い車で走る。彼女は寝ていた。
この車は彼女が選んだ。
かわいい赤色の車でドライブデートしたいね、って。
しなかった。
結局すぐに男ができたから。
相手はすぐに冷めているのに、こちらはどうしても冷めない想いがある。
どうするべきなんだろう。
家について、僕は彼女を抱いて外にでた。
静かに寝息をたてて、寝言を漏らした。