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srhb
ご本人様とは関係ありません。
「雲雀ってかわいいよね。」
「え?」
セラおに急にそういわれた。
俺からしたらセラおの方がずいぶん可愛いと思うのだが…。
「俺可愛くないよ?」
「雲雀は可愛いよ。俺が保証する。」
「保証されちゃったかぁ。」
セラおに抱き着く。
すると彼は幸せそうに笑った。
それが、最後に記憶だった。
―――――
雲雀が倒れた。
何の前触れもなく急に。
「ひば、り・・・?」
返事は帰ってこない。
浅く息をしている。
死んだわけでない。
毒を飲んだわけでもない。
持病があるというのも聞いたことがない。
怪我をしているわけでもない。
なにか病気になってるわけでもない。
奏斗や凪ちゃんにも連絡をする。
幸いにも、うちの近くにいたようだった。
すぐに行くと言われ、ものの1分くらいで足音がした。
「奏斗、凪ちゃん…。」
「セラ、雲雀は?」
「いま、ソファーに寝かせてる。」
「了解。アキラ、連絡よろしく。」
「わかりました。電話してきます。」
凪ちゃんが席を外す。
奏斗を雲雀のところに案内する。
「…外傷もなさそうだし、襲われた可能性は低いんだけど…。」
「毒は?」
「それもないと思う。解毒剤はすぐに飲ませたから。」
「なるほどね…。」
からだに症状も出ていない。
本当に原因が思いつかなくて焦る。
雲雀…早く、目を覚まして。
「セラ夫、奏斗。」
「あ、アキラ。連絡早かったね。」
「いえ。連絡はまだなのですが…。これを見てください。」
凪ちゃんから見せられたのはスマホの画面。
そこには『バグ発生中』と書いてあった。
「…え?」
「バグ…?」
「らしいです。」
「でも、雲雀が起きないのと何の関係が?」
「おそらく…。あった、これでしょう。」
そこに書かれていたのは白雪姫。
凪ちゃんの言おうとしていることがわからない。
奏斗はわかったのか手を打った。
「運命の王子様の口づけで目覚めるってこと?」
「たぶん。」
「なるほど。じゃぁセラ、キスして来い。」
「え?え??」
怒涛の展開。
ただ、先ほどの重苦しい雰囲気はなくなっていた。
「白雪姫って、でも喉にリンゴが詰まってたとかもあるんじゃ…。」
「いいんだよ。メルヘンだから。」
「えぇ…?」
奏斗の暴論に押され、雲雀の前に膝をつく。
これで本当に目覚めるかな?
もし、目覚めなかったら…。
…やってみなきゃわからない。
二人に見られながらキスするのは少し恥ずかしいが、背に腹は代えられない。
「雲雀、」
ちゅ
「どうか、目覚めて。」
俺の愛おしい人。
「ん、ぅぅ?」
雲雀が声を上げた。
まるで眠っていたかのように目をこすり、あくびをして起き上がる。
「あれ、俺寝てた?…?何で奏斗とアキラおるん?」
「よかった…。」
「え、セラお??泣いとるん?え?なんで???」
「ひば、バグってたんだよ。」
「なにが???」
安心して目頭が熱くなる。
目の前にいる雲雀をきつく抱きしめた。
もう、一人にしないでほしいと願いを込めて。