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コメント
2件
この雰囲気いいですね〜!!🥲 すきです🥹✨️
⚠️赤体♀
桃赤
部屋に夕日が差し込んで、柔らかなオレンジ色の光がカーテン越しに広がっていた。
部屋の中には俺と莉犬のふたり。
ソファに座るその距離は、友達としては近すぎるけど、恋人としては足りないくらい。
s「なんでずっとこっちみてんの?」
俺が笑いながら言うけど、莉犬の顔はあんま笑ってなかった。
r「…さとみくん、帰ったらまた『なんでもない』って顔して、普通にメンバーと話すんでしょ?」
少し視線を莉犬から外して上に向ける。
当然、俺と莉犬が恋人関係ってこと、外部の人にバレたらとんでもないことになる。きっと、俺たちの関係も終わりを告げるだろう。
俺はこれが怖くてさ…
s「そりゃ、そうするしかないでしょ…?最善を尽くしてる」
r「でも、苦しいよ….。会ってる時は幸せなのに、終わるたびに胸がぎゅってなる」
莉犬の声が震えてる。
いつもの配信とかでは見せない素のままの莉犬。
その姿に俺は何も返せなくなった。
俺も同じだよ。このままずっと莉犬と一緒にいたいよ。
時計の秒針が妙に大きく聞こえる気がした。
s「俺もさ、何度も考えるんだよ」
s「もう全部言っちゃおうかなって。莉犬のこと、好きになったって。」
s「でもさ、俺ら離れ離れになっちゃうのかなって考えたらさ…」
莉犬は目を伏せながら、小さく首を振ってた。
r「言わなくていい。さとみくんのそういう優しさ、ちゃーんと分かってるから」
静かに重なった手。
俺は莉犬の手を握り返した。
s「じゃあさ」
s「今日だけは全部忘れよう。時間も、リスナーの目も、メンバーも。ほら、俺らってさ、せっかく2人きりになれたのに、いつもアイツらのこと考えて凹んでんじゃん」
莉犬は俺の肩に顔を埋めて、ふふっと笑う。
r「なに今の、かっこいい〜笑」
s「なんだよその反応。…いいじゃん、たまにはさ」
そのままに、流れるままに、莉犬の手を引いて抱き寄せた。
r「さとみくん、こうしてると….普通に恋人だね」
s「普通にってか、ちゃんと恋人だし….」
r「ふふっ。確かにw」
意味の分からない莉犬の発言に突っ込むのは凄い楽しい。面白くなくても、ツボの浅い莉犬はなんでも笑ってくれる。そんなとこも大好き。この笑顔、誰にも見せたくないなぁ
窓の外では、夕日が沈んでいく。
莉犬といる時間はいつもあっという間で、だけど今日は誰にも邪魔されない。
莉犬の頬にそっとキスを落とした。
同時に俺の頬にも柔らかい感触がする。
r「…さとみくんってさ」
顔を赤くした莉犬がぽつりと呟いた
r「なんで俺なんかを好きになったの….?」
s「俺なんか、って何。お前自分のこと分かってなさすぎ…」
r「分かってるよ。変に真面目で、おもんなくて、小さいし、捻くれてるし…」
s「可愛いくて、素直で、頑張り屋で、泣き虫なんだけど強くてさ。あとは…」
次々と出てくる莉犬の大好きなとこ。
止まらない俺の口を、莉犬はあわてて手で塞いだ。
まぁ、表ではよく一緒にいるSTPRメンバーでも知らない莉犬を俺は知ってるからね。
s「莉犬」
名前を呼ぶとこちらを見つめる莉犬の瞳。
まっすぐで、逃げ道のない、綺麗すぎる目。
面と向かって見ると、その綺麗な目に吸い込まれそうになる感覚がする。
s「愛してるよ」
莉犬の肩に手を添えて、そのままゆっくりと体を押し倒した。
ソファのクッションが2人の重さで沈み、莉犬が小さく息を呑んだ。
r「さとみくん….」
s「大丈夫。嫌だったら言って?」
r「言うわけないじゃん。大好きだもん」
鼓動が重なって、もうゼロ距離。
本気で愛してるんだ。大好きだよ。
カーテンの隙間から、街の灯りが見える。
この夜もまた、誰にも知られないまま静かに更けていく。
目尻に少しの涙をためる莉犬に、もう一度キスをした。
下書き結構たまってたので投稿してみました
没なのでいつか消します……….