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その後、現世に戻った私は、いつも通り、平穏な高校生活を過ごした。
私は行方不明扱いになっていたのだけれど、無事家に帰ってきて、家族に一番に抱きしめられた。
あれは長い夢だったのか、それとも、現実だったのか…私には確かめる術がない。けれど、時々見えてしまう幽霊達が、あれが現実であったことを伝えてくれていた。
「里奈ー帰ろー」
「あ、うん…」
私ももう高校3年生。18歳。あれから2年が経った。
今は大学受験に向けて切磋琢磨しているところだ。
「じゃあ、またねー」
「うん、またー」
ばいばい、と友達に手を振る。一人になった。よく、一人になるとあの頃…隠世の思い出を思い出すことがある。琴葉、元気にしてるかなぁ…とか、彩さん、どうなっちゃったんだろう…とか。
「はぁ…また、会いたいよ…」
そう呟く。12月、吐く息が白い。
みんな元気にしてるかなぁ…また妖怪達が変なことしてないといいけど。
「…ねぇ」
「えっ」
その声…まさか…
いつのまにか隣に立っていたのは、中学生くらいの腰まである紫髪の少女。セーラー服のようなものを着ている。その紅い瞳には、かすかに見覚えがある。
「あ…彩さん!?」
「…しっ。久しぶりね、ちょっと背伸びたんじゃない?」
「あ…その格好は…」
彩さんの格好は、セーラー服。寒くないのかなと思ったけれど、疑問に思ったのはそこじゃない。というか、遠目で見たら普通の中学生に見えるような…
「ちょっとね。2年前の一件で、ほら、結界を元に戻すために私の魔力を全て捧げたのよ。それで、でもなんだか不老不死と普通の魔力…呪い以外のは残ったのね。それで、私が現世に行っても危険がなくなった…夢だった、現世と隠世の行き来ができる管理人の仕事を任されたわけ」
「え…!」
「で、この格好は子と世界に馴染むため。みんな元気よ。琴葉は里奈に会いたいばかり言ってるけど」
「私も、また会いたいなって思うなぁ…」
「それじゃあ、今度一緒に行きましょう?」
「いいんですか?」
「もちろん。あなたを守れる力は、あるか分からないけど…」
「大丈夫です!!やった!!」
嬉しい!またみんなに会えるだなんて。とっても。
またいつか、会えたらいいな…と思っていたけれど…
とっても今、幸せだ!!