コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
02 【夏の幕開け】
少し前の梅雨が嘘だったかなのようにカラッと晴れた日、夏が始まった。
まだクーラーの効いていない教室は相変わらず蒸し暑い。
「今日暑いねぇ…って、今日は休んでたんだった。」
隣の席を見つめて呟く。
君が休むのは珍しくて、驚いたよ。
「こちとら部活の朝練もあったんだからクーラーくらいつけてよ…」
そんなくだらないことを考えていた。
___ガラガラッ
朝のHRまで時間があるのに扉が開いて、先生が入ってきた。
なんか大切な話があるらしい。
私は興味がないから、うつ伏せになって、隣の君の席を見つめた。
明日は来てね?
連絡がないから心配だよ。
心の中で君に言っても、もちろん返事はない。
でも、なんだかこうしたかった。
___クラスメイトも、先生も、仲のいい子たちもこちらに目を向けていることには気づかなかった。