「そういえば冷蔵庫にきゅうりあるんだよな、お母さんおかず迷ってたから漬け物にでもするか」正直、この言葉を聞いた時は驚きと同時に少し恐怖を感じた。
それは中2の家庭科の授業の時のこと。
何人かのグループで料理を作るはずだったのだが・・・恋はゲキマズ料理を作った。
他の人と作って、だ。
そんなレベルだったのに料理を作る・・・ 無理だろ、と感じてしまった。
いくら4年が経っているからといってもあのレベルだった不味い料理を改善できる筈もない。
「あら、いいんじゃないかしら。お母さん、恋の作った料理は食べたことがないから楽しみだわ」
終わった。まじで終わった。
「あ、俺の料理下手だから手伝ってな」
一応自覚はしているんだ、自覚していて人に食べさせようとしているんだ・・・
また衝撃を受けながらも、あんな料理を恋のお母さんにまで食べさせるわけにはいかないと思ってしまって私は半強制的に料理の手伝いをさせられることになった。
少し経って・・・
「いただきます」
ちゃぶ台を三人で囲む。
「最初は漬け物を頂こうかしら」
それを止める前に、漬け物を口にしてしまった叔母さんはトイレに駆け込んだ。
「・・・・・・」
「・・・あー・・・」
どうしよう。
食べ物を残すのはなんだか罪悪感が芽生えてできないけれど、吐いてしまうほど美味しくない食べ物を食べることの方が嫌だ。
「あの、一口だけでいいから食べてくれないか・・・?」
こいつ絶対私を毒見薬にしようとしてるな・・・
見ていて無理だと思わなかったのだろうか。いまだに叔母さん帰ってきてないし。
「一口だけだから!お願い」
「同時ならいいよ」
「え、嫌だ」
よかった、毒見役にされなくて済んだ
「本当にお願いだから食べてくれー!」
「だから同時じゃなきゃ嫌だって!」
「じゃあ同時でもいいから!」
あ、やっぱり無理だった。
「・・・わかったよ、本当に同時だよね?」
「同時、だよ?うん」
「同時に食べないと許さないからなー!ww」
「わかったよw」
同時、同時か・・・
そう思う間も無く食べる時が来てしまう。
「3、2、1」
「はい・・・」
お食事中の方へ、ごめんなさい。
二人もやっぱりアウトでした。
不味すぎたっぽいです・・・
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