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#元ユース
龍
94
ちょむ
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知能天使との激戦の中、倒すためにはザエボスの力が必要になってしまった。
その際、ボスキが死ぬ時は主が死ぬ時だとザエボスと再契約してしまった…
他の執事達には内緒にする事になったのだが主はボスキと会う度に、その事が頭から離れなかった。
───
その日は朝からずっと雨にみまわれ、瀟瀟として庭に降り注いでいた。まるで、主の心を映すかのようだった。
主は部屋から窓の外を眺めながら、物思いに耽る事が多かった。主はいつも心配ないと言っていたが、執事達は心配していた。
コンコンコン
リズミカルに主の部屋のドアをノックする音が響き渡った。
「どうぞ。」
主が返事をすると、ボスキが入って来た。
「よう、主様。…まだ気にしてんのか?主様が気に病む必要はねぇ。あの時はあれが最善策だった。それだけだ。」
主はボスキから何を言われても、どうしても何も出来ない自身の不甲斐なさをのろった。その時、ボスキは咄嗟に主を自身の腕で包み込んだ。
「なぁ…主様。これで俺も、主様と同じ寿命の人間になった。だからって訳でもねぇんだが俺は主様と一緒に生きていきてぇんだ。
俺は主様が此処に来てからずっと見てきた。 ◯◯が好きだ。主としてじゃなく1人の女として◯◯の事が好きなんだ。返事は今すぐじゃなくて良い。だから…俺との事考えてくれるか?」
ボスキの体温が心臓の鼓動が主の体に伝わって主もそれに呼応するように、主の体温も上がり鼓動が早まった。
絞り出すように主は声を出そうとするが、なかなか言葉が出てこず、胸の高鳴りが抑え切れずにいた。
「…っ、ボス…キ、」
ボスキは主を抱き締める力を強めた。今は聞きたくない、もっと時間をかけて主との仲を深めていきたいと思っていた。
その時、雷が屋敷の近くに落ちた。辺りに雷鳴が轟き地震のような揺れを感じた。
「きゃっ!」
主は思わずボスキの事をギュッと抱き締め返し僅かに震えた。
「こりゃぁ近くに落ちたな…もうカーテン閉めるぞ。」
ボスキは主を抱き締めたままカーテンを閉めると、まだ離れたくないのか主を抱き締める力を強くさせた。
「…っ、ボスキ、私、」
主が言葉を出そうとしていたその時─
「主様!大丈…夫、っすか…って、ボスキさん何やってるんすか!?」
雷が落ちた事でアモンは主の事を心配してノックを忘れ、部屋に入って来た。
「っハァ…さっきの雷のせいだ。アモン、ノックもせずに主様の部屋に入って来るのは失礼なんじゃねぇか?黙っといてやるからこの事は他言無用だ、良いな。」
ボスキは自分の事は棚に上げて、アモンの事を注意していた。
「…ボスキ、もう大丈夫だよ。急に抱きついちゃってごめんね。」
主は少し名残り惜しそうにボスキから離れるとボスキもそうせざるおえず、主からゆっくりと離れた。
「あぁ。…主様も一緒に来るか?雷が苦手なら俺らと一緒に居る方が気も紛れるだろ?」
主はまだ一緒に居られる事に安堵して、首を縦に振るとボスキの手を握ってしまった。
「「…!?」」
アモンとボスキは主の行動に戸惑ってしまい2人は主の方へ視線を送った。主はきょとんとしていたが、すぐに自身の行動が原因だと理解した。
「…あ!ご、ごめんね。つい…」
「…まぁ、主様からしてくれんなら俺は何も言わねぇしこれなら誰も文句言えねぇだろ。」
ボスキはそう言うと引っ込めようとしていた主の手を握り締め、アモンに続いて主の部屋から出て2階執事室へと向かって行った。
その間、主はずっと胸を高鳴らせ顔を俯かせながらボスキと手を繋いでいた。
その頃は何も分からなかった。主が誰を想い恋焦がれてしまうのかを ─
コメント
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読ませていただきました。 プロローグとして、主と執事の距離感の変化が繊細に描かれていて、とても惹き込まれました。特に雷のシーンで主がボスキを抱きしめ返す瞬間——あの身体が先に動く感じ、すごくリアルで、胸がきゅっとなりました。告白の「主としてじゃなく1人の女として」という台詞も、立場を超えた想いが伝わってきて、最初からこんなに深い感情が動いているのかと驚きました。 雨が「主の心を映す」ような導入も美しかったです。続きが気になります。