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暗い部屋。鳥が鳴く朝。登校中の小学生の声。静か過ぎる家。
家族は居る。誰も話さない。興味が無い氷の一家。
私はコンビニに行くために外へ出た。正直、家の中に居たい。
静かな家に。でも、食べ物が無い。
だから私は外にでる。
近くでクラクションが鳴り響く。
1台のトラックが小学生を襲いかけた。
あの小学生はこれが宿命だったんだろう。
でも私が体を張って助けた。
「危ない…っー」
死んでもどうせ私は死に戻るから。
違った。家でもコンビニまでの道でも無い。雪が降っている大きな森。
私の目の前には大きな氷があった。
その中には男の人…?。
私は恐る恐る氷に触れた。
パリーン
触れると同時に氷が割れた。
男の人は私の目の前に横たわる。
「綺麗な人…」
思わず口に出た。
「んん…」
「お前は…誰だ?」
「え…?えっと…氷月深登です…」
私は恐る恐る名乗る。
「俺は冷酷の魔王カイトだ。」
魔王…?ここはやっぱり異世界?。
「あの、魔王様がなぜ氷の中に? 」
「あの氷を割る者を探すためだ。あれは特殊な氷でな、簡単に割れる物では無い。」
「そうなんですね。」
「お前俺の城に来い。」
抵抗するのも面倒くさい。
「わかりました。」
城に着くと2人のメイドと執事に出迎えられた。
『おかえりなさいませ。カイト様。』
「あぁ、ただいま。こっちは深登だ。これから一緒に暮らす」
「かしこまりました。私はメイドのアクアと申します。」
「私は執事のロゼと申します」
「えっと氷月深登です。よろしくお願いします」
礼儀正しい挨拶。私はできていたのかと不安になった。
「深登、この後は書斎に来てくれるか?」
「わかりました魔王様。」
「深登、お前はなんだ?魔女か?」
「魔女…?いいえ、違います。ただ、私は死に戻りと言う能力を持っています。 」
「死に戻りは史上最悪の魔女と呼ばれたシアのものだぞ。お前がシアの娘で無い限りありえない。」
シア?シア…幸…幸?!
「あの、その魔女様私の母かもしれません…」
お母さんの名前は氷月幸。
恐らくシアは母親だ。
大きな理由は母は5年ほど失踪していた時期があるからだ。
あとゲームの名前がシア。
「ほぅ、では深登お前に頼みがある。」
「なんでしょう」
「俺と婚約しろ」
「・・・?!ここここ婚約?!魔王様は私がその、好きなのですか? 」
「いや違う。能力に興味がある。それとその髪と瞳の色。気になる」
青みがかった銀髪に、金色の瞳。
これは染めているわけでもカラコンをつけている訳でもない。正真正銘地毛で裸眼。
婚約。この世界には興味が無いわけでは無い。だからと言ってやりたいことはない。
「わかりました。求婚をお受けします。ですが、仮です仮!本当に婚約するならお互いを好きになってからで」
「わかった。」