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コメント
4件
あぁ〜〜〜、寄宿が刺さる音…hbがさらっと、独占欲出してるのが好きなんじゃぁ………🫠🫠
好き!!!!!!!! お互いすれ違っても結局誤解とけてハッピーエンドになるの好きです!!! もっと独占欲出していこう!そんでもっとイチャイチャしてくれー!!!
にじさんじBL、nmmn
hbkn ♦☕×🍝🍷
🦉🎻もでてくる
地雷さん👋👋👋👋
結構下手です。
名前伏せません。
それではどぞ
放課後の校舎は、静かな風の音と紙をめくる音だけが響いていた。
生徒会の仕事に追われて、最近は毎日遅くまでこの部屋で過ごしている。ふと窓の外に目をやると、見覚えのある後ろ姿があった。
「雲雀…」 その隣には、大人の女性が立っている。笑って何かを話していて、雲雀も優しく頷いていた。
何度目だろう。
ここ数日、同じ光景を何度も目にしている。
その姿を見た生徒たちが「雲雀が謎の美女と付き合っている」と噂を流し、瞬く間に全校に広まった。 あまりにお似合いで、雲雀を諦めた女子もいた。
お前と付き合ってるのは、僕…だよね…? 胸の中でそっと呟いて、目を伏せる。
「奏斗?いつまでボーッとしてるんですか。手、止まってますよ。」
アキラの声に我に返る。
「…あ、うん、」
心ここにあらずの返事をしてしまい、心配そうに見られた。
「大丈夫ですか?」
「平気、ちょっと疲れてるだけ」
笑顔を作ってみせたけど、作業に戻っても頭の中は雲雀のことでいっぱいだった。
部屋に戻ると、雲雀はいつものようにベッドで携帯をいじっていた。
「おかえり〜」 変わらない笑顔。
けれど僕の胸には、昨日から溜まり続けた不安がこびりついていた。
なんで、何も言ってくれないの?聞けば済むことなのに、怖くて聞けなかった。
その夜から誘われても「気分じゃない」と言って避けるようになった。雲雀は何も言わずにそのまま眠りについて、それが余計に僕の心を苦しめた。
翌日の放課後、ようやく生徒会の仕事が落ち着き、気分転換に外へ出ようとした僕をセラフが呼び止めた。
「奏斗、こっちきて」
彼はアキラから僕の様子を聞いたらしく、心配してくれた。でもセラフには以前、告白されたことがあるから少し気まずい。
それでも、気づけば僕はぽつぽつと話していた。雲雀の噂のこと、実際に二人が一緒にいるところを見たこと、そして自分よりあの人の方がお似合いだったこと。
言葉が途切れた瞬間、涙がこぼれた。
「ごめん、せら…僕…」
セラフは首を振り、静かに言った。
「奏斗、ちょっとだけでいいから抱きしめていい?」
驚いたけれど、断ることができずこくりと頷くと、セラフの腕が僕を包んだ。広い肩。あたたかい体温。
息をするたびに、胸の奥が痛くなっていく。誰かに優しくされることが、どうしてこんなに苦しいんだろう。本当に抱きしめてほしいのは雲雀なのに…
涙が落ちて、セラフの服を濡らした。それでも彼は何も言わず、背中を撫で続けてくれた。
「……ありがとせらふ、ちょっと落ち着いた。」
笑って離れた瞬間、廊下の影に誰かの姿が見えた。
誰かに見られた?一瞬だったから誰かまでは分からなかったけど、また変な噂が流れなければいいな、と心で思った。
その日の夜、部屋に戻ると雲雀が玄関で待っていた。
「……遅かったな、おかえり。」
その声が低くて、心臓が跳ねた。抱きしめられると、雲雀が小さく息を呑んだ。
「……せらおの匂い、する」
部屋の空気が凍る。
「お前、どこで何してた?」
「そ、そんなの雲雀に関係ないでしょ!」
そう言った途端、腕を掴まれてベッドに押し倒された。
「ん..離せっ!そういう気分じゃないって言ってるでしょ!」
「せらおと何してた?」
「な、なんもしてない!」
「こんなに匂い残して、そんなことよく言えたな。」
「やめろ!」
雲雀を拒む自分の言葉に涙が溢れた。ただ、雲雀が僕じゃない誰かに触れられるのが嫌だった。
あの女の人と並んでた雲雀の姿が頭から離れなくて、どうしても涙がこぼれた。
「……奏斗?」
泣きじゃくる僕を見て、雲雀の声が急に優しくなった。
「ごめん、怖かった、?」
そっと抱きしめられて、背中を撫でられる。涙が止まるまで、ずっとそうしてくれた。
「……他の人と一緒にいたくせに…僕に…優しくしないでよ」
雲雀が目を見開いた。しばらく沈黙が流れてから、僕をゆっくり抱きしめ直した。
「もしかして……親戚の姉ちゃんのこと言ってる?奏斗、あの人はただに親戚でそういうんじゃない。ごめん、誤解させたな…最近こっちに引っ越してきて手伝ってただけなんよ。」
その言葉に、涙が止まらなくなった。そんなことで、ずっと怖くて泣いてたのかと思うと、情けなくて苦しくて、でも、安心で胸がいっぱいになる。
「でもさ…」
「なんでせらおに抱きしめられてたん?」
ぎくりと固まる。セラフに告白されたことも、今日抱きしめられたことも雲雀は知らないはず…だよな?
「雲雀…?もしかしてあの時見てたのって…」
「俺だけど?なに?やましい事でもあんの?」 僕の顔が引き攣る。あれを見られたから雲雀、僕が帰ってきた時怒ってたのか。誤解されてないよな…?
「やましい事なんて何もしてない!」
「じゃあ何してたん?あんな身体寄せあって」
(ここは正直に答えるしかない。だって本当にやましい事なんてしてないし。)
「…ちょっと相談に乗ってもらって、落ち着くまで……」
「抱きしめられて?」
「うっ…」
雲雀の表情がほんの少し陰った。ゆっくりと僕の頬に手を添え、まっすぐ見つめてくる。
「奏斗が他の奴に触られるの、嫌だって思ってるのと同じで、俺も嫌だよ。」
指先で僕の頬をなぞりながら、目を細める。
「お前は俺のだから。」
低く落とした声に、胸の奥がぎゅっと締めつけられた。
「……うん…雲雀だけ、だよ。」
雲雀は満足げに笑って、僕の額に軽く口づけた。
翌日、教室で雲雀と目が合ったけど、僕はなんとなく視線を逸らしてしまった。まだ心の奥に、昨夜のざらついた気持ちが残っていた。
「おはよ、奏斗」
「……おはよう」
雲雀はふっと笑って近づき、机の上に手を置いた。
「俺、怒ってないからな。むしろ昨日の顔、ちょっと可愛かったし。」
「は!?し、しってるし!」
雲雀が声を殺して笑いながら、僕の手を取って指を絡める。
「もう俺以外に甘えんで…これからは俺だけ」
胸が熱くなる。返す言葉が見つからなくて、ただ小さく頷いた。雲雀はその様子に満足したように微笑み、
「……やっぱ、おまえ可愛いなぁ!」と呟いて僕の髪をくしゃりと撫でた。
朝の教室にはたくさん人がいるからっていわないといけないのに、雲雀の独占欲が滲み出る言葉が嬉しくて、その手を拒むことが出来なかった。
「雲雀だけ…だよ」
雲雀は満足そうに微笑み、僕の頭を撫で回す。朝の光が差し込んで、二人の影が寄り添うように重なる。
そうして雲雀と女性の噂は時間と共に消え、新たな噂が広がることになった。