彼が結婚して数ヶ月。
俺は久しぶりに彼と逢った。
この数ヶ月、彼から連絡をくれた時もあったが俺は何かと言い訳をして意図的に逢う約束を交わさなかった。
きっと、彼に逢うと心配されるし、 なにより_
俺が耐えられなかった。
彼の薬指にはまっている指輪をみてしまうと、きっと俺は泣いてしまう。
そんな思いもあり俺は彼と逢わなかった。
しかし、先日、彼から 「どうしても会いたい」と 連絡をもらった。
彼が「どうしても」という言葉を使うのは珍しい、
そう思い俺は意を決して久しぶりに彼と逢う約束を交わした。
彼とは2人で行きつけの喫茶店で待ち合わせた。
俺が時間より10分早く行くと、さすが。
そこにはもう席に着いている彼の姿があった。
俺は席に向かい、上着を脱ぎ、丸めて隣に置いた。
my「…久しぶり、」
涼太は少し下手に微笑む。
wt『…久しぶり、』
少しの沈黙が流れる。
今の今まで数ヶ月逢わない、なんてことはなかったからだろうか。
お互いが気まずく感じている。
my「…どう、? 元気にしてる?」
wt『…まぁ、、元気にしてるよ』
my「ほんとに? 目の下、隈酷いよ」
my「それに、前、結婚式で逢った時より顔痩けてるし。」
my「仕事忙しくてちゃんと食べてないんじゃないの〜?」
やっぱり、、涼太には敵わないな、
あんまり目立たないようにメイクとかしてきたつもりなのにな、
理由は違うけど。
でも、そんな涼太も顔は痩けてるし首も一回り細くなってる。
何かあったのか、、?
wt『やっぱ涼太にはばれるかー、笑』
my「ばれるよー笑」
my「何年一緒にいるの思ってんの〜?笑」
wt『まじ仕事忙しくてあんまご飯食べれてねーんだよなー笑』
ほんと、何年一緒にいるんだろうな、
俺は適当に理由を誤魔化した。
my「ちゃんとご飯は食べないとだめだよ〜?笑」
wt『そうだなー笑』
wt『でも、そんなこと言う涼太も痩せてるけど?』
俺は自然な流れで投げかけた。
my「…え、?、」
涼太は戸惑いを見せた。
my「ほ、ほんと、、? 」
wt『うん、まじ。』
wt『俺、嘘つかねーし。』
wt『俺、今まで嘘ついたことある?』
my「いや、、ないけど、、。」
wt『でしょ?』
涼太がこんなに焦るのは怪しい。
涼太はなんでも1人で溜め込んじゃうタイプだから、結婚するまでは俺がその溜め込みを吐き出させてた。
パートナーが出来てからパートナーに吐けるはずなんだけどな、
これは踏み込まないとやばそうだな。
コメント
1件
すでに面白そう!わくわく!