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月が夜を照らす。
しかし優は照らしてくれない
ただ闇だけが優をおおう。
もう夜になってしまった。
「ゆーう! 一緒にあーそぼ!」
楽しげに誘う玲、その言葉に拒否権などアリはしない。
「…なに、するの?」
視線だけ玲にむけ、優は聞く。
おもむろにス〇ブラを取り出し、テレビに繋ぐ。
そして、仮初の夜は更けていく。
映画の途中で寝落ちてしまった優を運びながら玲は鼻歌を歌う。
はたから見たらただの友達だ。
しかし優の涙と首輪から分かってしまう。
この友情は歪んでいると。
玲はもっと早くしておけばよかったと思う。
優に話した事も本音だ。
しかし最も大きな理由は優のあがきそして堕ちるところを見てみたいと考えたからだ。
執着と加虐心に囚われた優を可哀想だと思う。 自分のせいなのに。
そして、美しいとも思う。
自分が歪んでいることは自覚している。
そして優に触れるには優も歪んでしまわないといけないとも考える。
ああなんとも哀れで美しいのだ。
優に優しく布団をかけ、寝かしつける。
その姿はまるで聖母のようだった。
「さて、お掃除と」
最大の課題、玲の年下の友人、如月飛翔のことだ。
彼は玲を怪しんでいる。
そして優に恋愛感情を持っていた。
そういえば子会社が新種のウイルスを開発したのを思い出した。
その実験体にしてやろう。
少女は笑う。
闇は消えない。
夜明け はこないのであった。