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知る人ぞ知る要らない彼女を売っている。そんなお店がありました。
一度は愛し合った二人。けれど愛し合えなくなった二人。
そんな二人は彼女の欠点、付き合った期間、長所などを細かく書き、そのお店に売ります。
要らなくなってしまった彼女は、その店で人形のように、ショーウィンドウに飾られ買い手がつくのを待つのです。
私はその店がとても嫌いでした。
曇ったショーウィンドウはそこにいる彼女たちが本当に要らないと言っているようで。
私もいつかあそこに並ぶのではないかと、いつも恐怖していました。
私はどこかで彼女たちを見下してたのだと思います。私はあそこにはいかない。どこか根拠のない自信があったのだと思います。
しかし私は売りに出されてしまったのです。
ショーウィンドウから外が見られるように飾られました。
外が見れるのは辛くも幸せでもありました。
私は曇ったショーウィンドウからずっと道行く人々を見続け、売られに来る彼女たちを喜んで仲間に迎えるのです。
この先ずっと。
要らない彼女:END