それでも僕はまたこう思ってしまう。大丈夫なんだろうな、と。
莉奈にうざがられても。
でも私は大丈夫だと思いたい。
圭佑に嫌われても。
僕は莉奈に対する愛を懐きたい。ただそれだけなんだ。莉奈と一緒にいたい。これからもずっと莉奈の事を愛していたい。ただそれだけの事。
私はこの心の内を叫びたい。圭佑と一緒にいたいと言う私の理想をただ叫びたい。それだけ、それだけの事。私の考えている事、奏でたい音、これは所詮愚者のメロディにすぎない。でもこれは私の愛しているメロディなんだ。私の中にしかない大切なメロディ。これを彼に、圭佑に伝えられたらどれだけ楽なんだろう。
僕は莉奈に伝えたい事がまだまだたくさんあるんだ。だからもう一度再挑戦したい。転生したとしても莉奈にこの気持ちをもっと上手く伝えられるように僕はもう一度莉奈に会いにいくんだろう。何回だって何回だってこの気持ちが伝わるまで莉奈と一緒にいたい。でもそれは彼女のためにはならない。
そうこの気持ちが伝えられれば私は楽なんだろう。でもそれは圭佑のためにはならない。だったら私は
僕は
「圭佑」「莉奈」のためだったらいくらだって嘘がつける。
もうこれ以上僕の自分勝手は我儘で
もうこれ以上私の勝手な思い上がりで
「圭佑」「莉奈」を傷つけたくない。
僕の愛が莉奈に伝わる事はきっとないんだろう。
私の気持ちと圭佑の気持ちが混ざり合うことはないんだろう。
だったら「僕」「私」は「莉奈」「圭佑」のために嘘をつく。
この世のものとは思えないほどの優しい嘘を。
「ねえ圭佑」
「何?」
「私本当は圭佑のこと嫌いなの。それなのにずっと隣にいてごめんね。」
「そう。気が合うね。」
「?」
「僕も嫌いだよ。莉奈の事。」
「えっ」
「お互いの本当の気持ちもわかったんだしもう無理して一緒にいる必要はないよ。」
「そうだね。今までありがとう。あんまり楽しくはなかったけど。」
「莉奈の本当に思ってる事が聞けてよかったよ。」
『ばいばい』
これからも「莉奈」「圭佑」は「僕」「私」の頭の中ではずっとずっと一緒にいるんだ。
この頭の中の『妄想感傷代償連盟』という世界の中では幸せな未来が描かれ続けていくんだ。
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