12 失
「あれ?話はもう良いの?」
おどろくが凸先輩と合流すると、凸先輩が聴いてきた。
「うん!いっぱい話してきたよ!」
凸先輩は不思議そうにこっちを見た後、「そっか」と言った。
「このあと行きたい所ある?」
凸先輩にそう言われて、首を振る。
「先輩の行きたいところに行こ!!」
楽しい、楽しいのに__
なぜだかうまく笑えないよ__
ねぇ、もしおどろくが__
もし、私が__
人殺しって知っても、凸先輩は今まで通り接してくれるのかな?
Seid うたい
ん__さむっ。
ショッピングモールを出ると、突然の寒さに襲われる。
「寒い?」
寒がるような仕草も見せていないのに、あふぇさんに聴かれる。
小さくうなずくとあふぇさんがパーカーを脱いでかぶせてくれた。
「俺は大丈夫だから。」
「あ、ありがと。」
あふぇさんの匂い__
やっぱり、僕はこの匂いが安心する。
「そういえば、おどろくさん、かなり思い詰めてそうだね。」
あふぇさんが悲しそうにつぶやいて、僕も頷く。
「まぁ、そりゃそうなるよ。」
もし、僕がおどろくさんの立場でも、同じくらい思い詰めてるよ。
「__おなかすいた。」
「今日のご飯、お鍋だって。」
あふぇさんのその言葉に「やった。」と呟く。
あの子は無事かな?
無事だといいな。
__無事じゃないと困るな。
コメント
1件
わぁ…あ…悲し…そっか…そうだったんだもんね