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〜陽斗視点〜
「「「「「「「さようなら」」」」」」」
先生「はい、さようなら」
放課後のホームルームが終わり、各々部活に行く準備やら友達との会話やらに話の種を咲かせている
そして俺も例外ではなく、俺の部活へと行く準備をしている、まぁ準備と言っても、ユニフォームに着替えるとかではなく、今日の持ち物チェックをするだけだけど、俺はバッグの中を指差し確認し、忘れ物が無いことを確認した後黙って俺の部室へと足を進める、廊下には教室前で友達を待っている子、今日の放課後遊ぶ約束をしている子などが居ており、俺はそれを横目に部室へドンドン足を進める
部室と言っても、空き教室を借りているだけで、そんな凄いことをする訳でもない、俺の部活は他の奴らから存在が薄く、”幽霊部”と言う名で知られている、まぁ、全然間違っては無い、それといって目立った活動もしてないしね
そうこうしている内に、美術室の隣の空き教室、そして俺の部室が俺の目へと入る、俺は勢いよく、半ば声を粗げながら「よっす〜!」と声を上げる
………まぁ、部員は俺だけなんだけどな
俺の入っている部、その名も”青春部”
俺が陰キャのまま終わりたくない理由と青春したいと言う理由で勢い良く立ち上げたのだが、ここは部活が強豪なだけあり、こんな”The 陰キャ部”って感じの所に入る奴は居なかった、なんで俺は部活をする気無かったのに部活強豪校に入ったんだ?という疑問が湧き出てくるが、そんなのは横に置いておく
ちなみに顧問も居ない、なんで?()
顧問位は居てもいいだろという半ば怒りの感情が湧き上がるが、まぁそんな事はどうでもいい、俺は空き教室の教卓の前に立ち、スゥッと息を吸い叫ぶ
陽斗「暇だぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
うん、暇なんだ
だってしょうがないだろう、部員1人、顧問も居ない、こんなん暇になるに決まってるだろう?
俺は一通り叫んだ後、空席に座り机に額をつける
陽斗「なんで部員が1人も来ねぇんだよ……」
眉をピクピクとさせながら感嘆の声を出し、俺は溜息を着く、やっぱりこんな部活入るくらいなら、何処か適当な文化部に入って友達作っておけばよかったなぁと今更遅いことを思いながら、部室の窓からグラウンドを見る、グラウンドでは、サッカー部がパスを回しながら模擬試合をしている最中のようだ、しかもその周りには女子が「きゃー!」という声を出しながらそれを見守っている、俺は「陽キャがよォ!!!!」と声を粗げ、窓を開ける
陽斗「見てろよ陽キャ共ォ!!!俺も青春してやるからなぁ!!!」
そう言い窓を閉め、机の上に座るが、それと同時に「いや無理だな」と言う思いも込み上げてくる
この空き教室は使われてない、だから俺が入部初日に書いた「青春部!」と言う文字が消えずに残っている、それを見るだけで、虚しさが襲ってくる
陽斗「あー!誰か転部して来ないかな〜!」
俺は顔を上に向け、青春部存続の為に、諦めの願いを叫んだ
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