いつも父さんが作る弁当は
弁当というより残飯
クラスメイト「何この弁当!笑
犬の餌みたいやな!笑」
いつもクラスメイトに笑われる
俺 「父さん!!弁当!」
父さん「おぉ、美味しかったか!
やっぱ男はスタミナつけねぇとなぁ!」
俺「違う!!
残飯みたいな弁当は
やめてって言ってんの!!」
父さん「え?いや、それ残飯じゃなくて
オムライスな?」
「オムライス好きだろ!?」
「だから弁当にも入れてやろうかなって!」
俺「余計なお世話だよ。」
俺は弁当を投げ捨てすぐ部屋に向かった。
母さんが出ていき、俺を1人で育てた父さんだ。
働きながら弁当を作っていること
ほんとは感謝してる。
でも、父さんと喋るとイライラしてしまう。
父さん「…」
俺「行ってきます。」
父さん「おう!行ってらっしゃい!
楽しんでこいよ!」
そう、父さんはいつも見送りする時、
俺の手をグッと握る。なかなか痛い。
そして「楽しんでこいよ」と言う。
昔からの口癖だった。
父さん「あ!おい、弁当!!」
俺「いらない、行ってきます。」
父さん「そ、そうか。」
父さん「…」
そして昼飯のときだった。
俺は友達と購買へ行き焼きそばやたこ焼きを
食べて楽しく過ごしていた。
何ら変わりない日常。
そう、何も変わらないはずだった。
先生「あ!いたいた!!おーい!!」
俺「え?なんすか!?」
友達「お前なんか悪いことした?笑」
俺「いやしてねぇよ笑でも怖ぇな笑」
先生「病院から電話!!!」
俺「え?お、俺に??」
電話から聞こえてきたのは
医師の太い声だった。
医師「お父さんが救急搬送されました」
気づくと俺は
校門を出てタクシーを捕まえていた
運転手「どちらまで行かれますかー?」
俺「〇〇病院へ!!急いでください!!!」
運転手「か、かしこまりました!」
俺が通っている高校から10分のところに
病院があったが、その時10分が40分に感じるくらいとてつもなく遅く感じた。
病院へついて受付に汗だくで
父さんの名前を言った。
エレベーターがあるが階段を使って走った。
走った。
走った。
…手術中…
その文字を疑った。
すると医師が出てきた。
医師「どうぞ。こちらへ。」
俺「あの!!父さんは!!?」
医師「今ならまだ、間に合います。お話されてください。」
俺「ま、間に合います。。?」
俺の目の前に映った光景は父さんは
呼吸マスクに点滴、色々な管が繋がっていた。
あれは本当に俺の父さんなのか。
目を疑った。
俺は恐る恐る父さんの枕元へ歩いた。
父さん「…」
俺「父さん。?」
父さん「…おう…学校、楽しかったか。。?」
俺「楽しかったよ。。父さんが倒れなければ。」
父さん「ははは。。父さんは元気だぞ。。?」
俺「何言ってんだよ。無理すんなよ。。」
父さん「弁当。。冷蔵庫の。。2段目に入ってるから。。チンして食べるんやぞ。。」
俺「…ごめん。。」
父さんは俺の手をぐっと握った。
あまり痛くなかった。
父さん「何がだよ。。。笑
父さんもうすぐ逝っちまうから。。
お前は立派に生きるんやぞ。」
父さん「まだまだお前は人生長いから。。
残りの人生。。。楽しんでこいよ。。」
俺「ぐっ。。泣」
父さん「墓参りこいよ。。?笑可愛い孫。。
見せてくれよ。。。な。。?」
俺の手を握った力が無くなっていく。
俺「父さん。?おい!!父さん!!
返事しろよ!!父さん!!おい!!!」
夕方17時50分。
俺は家に帰り、冷蔵庫の2段目を空けると、
いつもの弁当があった。
開けると中はオムライスだった。
ちょっと綺麗に作ってある。
俺「…ん。?」
弁当の下を見ると手紙が入っていた。
「オムライスは立派な料理なんだぞ?
食わん奴にはビンタや!!」
その短文だった。
初めて父さんがキレた。
手紙で。
俺「フッ。るせぇよ泣」
15年後。。。
息子「いってきまーす。」
俺「おーう!今日の弁当はオムライスだ!」
息子「えぇー?またーー?
もう飽きたんやけど!?」
俺「るせぇ!黙って食え!」
息子「ちぇ!」
俺「気をつけて帰ってこいよー!」
俺「あと、」
「楽しんでこいよ」
コメント
1件
なんかすごいわ