❤️💙 🔞
全て作者の妄想でありフィクションです。
地雷等ある方はご自衛をよろしくお願いします。読了後の批判等はおやめ下さい。
(もうお気づきの方がいらっしゃるかもしれませんがうちの❤️さんは意地悪だけど愛はある溺愛彼氏で💙さんは健気で泣き虫だけど意外とあざとい小悪魔彼女って感じが多いです…笑)
『今から家来れる?』
ブーという振動音にベッドに放置していたスマホに目をやると、緑のアイコンのアプリからそう通知が入っていた。
何度も目にした名前と、メッセージ内容。
あまりに淡白すぎる文からでも、何を伝えたいかがわかってしまうほどに呼び出しされ慣れてしまった俺は、スタンプを返信しながらお風呂場へ向かっていた。
「…、ふっ…ぁっ、」
…訂正。
やっぱり、浴場に響いてしまう自分のくぐもった声色と官能的な水音にはいつまで経っても慣れることが出来ない。
こうして、元貴に呼び出されて一人で後ろを解してから家に向かうというルーティンはいつから始まったのだろう。
そもそも、いわゆる『体の関係』というのを持ち始めたのも正直いつだったか覚えていない。
そう、それが、俺と元貴の関係。
割り切ってて、冷めてて、性欲を吐き出すための都合のいい相手。
……なんて、そう思うようにして傷つかないよう自分を守ってるだけなんだろうな、俺は。
もし奇跡的に元貴と恋人関係になれて、甘い雰囲の中で体を重ねられたら…なんて妄想をして自慰することもあった。
けれど、現実なんてそう上手くいくもんじゃなくて、実際のところお互い酒に呑まれて流れでヤッてしまいました、なんてエロ漫画家も飽き飽きのストーリー展開である。
お互い男とヤるのは初めてだったし、手探り手探りな前戯とスムーズに行かない挿入でムードもへったくれもなかった。
そんなわけで、もちろん初行為はそんなに気持ちよかったわけでも幸せな感覚になったわけでもなく、痛いし苦しいしでずっと泣いてた気がする。
けど、元貴が俺の痴態を見て勃起してくれてたりだとか、元貴が俺を抱いているっていう事実に興奮してしまっている自分にまた嫌気がさすだけだった。
たった一夜過ごしてしまっただけ。若気の至り。
そう思うことでやり過ごそうと思い、あの日の出来事は水に流そうと自分なりに数ヶ月ほど時間をかけて消化しきった頃。
また、元貴に抱かれた。
1回目より何倍も優しく甘く丁寧に愛撫され、比べ物にならないほどの快感を叩き込まれた俺の体は、いとも簡単に堕ちた。
なんで。なんで、 まえシたときより何倍も上手くなってんだよ。
まさか他の男を抱いてみたりした?
なんて考えて泣きたくなったのとは反対に、顔をぐしゃぐしゃに崩して、高く媚びるような女みたいな嬌声をあげる俺に『かわいい』『すきだよ』なんてこっちの気も知らずに囁いてくる元貴。
ほんとずるい。
「ぁっ、あ…!は、あ!」
ついあのときのことを思い出してしまうと、よけい素直に快楽を拾っていく身体。
気持ちいい。のに、まだなにか足りない。
自分より太い指で、意地悪に攻め立ててくる元貴の指にすっかりハマってしまったのか。
2回目以降散々分からせられた自分の前立腺をとんとんと押してやるとすぐに射精感が高まり、ちゅぽん、と指を後ろから抜くとその拍子でびゅるびゅると精液が飛び出た。
すっかり後ろで快感を拾うようになってしまった事実にちょっと情けなくなる。
「もういっかっ…」
体をもう一度シャワーで流し、元貴の家に向かう準備を進めた。
『ついたよー』
そう送ると直ぐに既読になる。
『鍵あいてる。入っていいよ』
不用心だな。それとも、俺が来るから開けてくれてたのかな。
…後者だったら嬉しいな。なーんて。
ガチャ、と玄関をあけ一応「おじゃまします」と小さい声で言う。 入っていいとは言われていても、やはりこういうのは言わないと落ち着かない。
「若井」
とんとんと足音がしたかと思ったら、階段から眼鏡をかけた元貴が降りてきた。 無造作に跳ねてる黒い髪の毛に、着慣れているのだろうトレーナー姿は完全にオフの元貴である。
だが、その奥の瞳にはゆらゆらと炎のようなものが揺らいでるように見えた。こういうときの元貴は大体は音楽制作に精を出しすぎて自慰ができていないとき。
「準備、できてる?」
なんの準備かなんて、言われなくてもわかる。
無言で頷くと、
「…ふ、さすが」
やらしく口角を上げた元貴に腕を引かれて、部屋に連れ込まれる。
ベッドと、かろうじてテーブル、観葉植物が置いてあるだけの質素な部屋。
一応寝室だったのだけど、曲制作部屋で寝落ちすることが多すぎて結局その部屋にもベッドを置いたので、ここはもうあまり使わないのだと以前教えてもらった。
以前来た時より少しホコリが多い気がする。これは掃除してないな。そう 部屋をキョロキョロしながら考えていると。
「若井もずいぶん余裕出てきたね、燃えるなー」
「へっ?、ちが、ないよ!余裕なんかっ 」
「嘘ー。前だったらこの時点で顔真っ赤だったよ。まあ、若井がビッチちゃんでもそれはそれでクるけど」
「ビっ……!!!」
あまりに直接的な表現に言い返そうとすると、唇をむりやり押し当てられる。こうなってしまうと俺はもうただ元貴に好き勝手されるしかなくなるので大人しく力を抜いて体を委ねる。
いつもぷるぷるなのに、ケアができてないのかすこしカサついた唇が新鮮でぺろ、と舐めてみた。…たしかに、元貴の言う通り余裕ができたかもしれない。
「可愛いことすんね」
そう囁いた元貴にベッドに優しく押し倒されて、耳に手を添えられたと思ったらまたキスをしてきた。 行き場を失った両腕をなんとなく元貴の首に回す。
触れ合うだけだったのがだんだん啄むようなキスに変わり、酸素を求め開けた口内には待ってましたと言わんばかりに舌を割り入れられた。
お互いの熱い息や、元貴の少し分厚くてざらついた舌、耳元で響く舌が絡む音などの体が受け取る情報全てが行為そのものをより官能的なものにしてしまって、もう何も考えたくなくなってくる。
元貴の手がどんどんさがっていき、胸で止まった。
「乳首、一人で触ってる?」
「さわる…けど、」
「けど、なに?笑」
「……自分でやるときもちくない…」
「ふっ…もう、しょうがないなぁ若井は」
服越しにぴんっ、と急に乳首を弾かれて上半身が痙攣する。行為の度に触られたそこではもうすっかり快感を拾うようになってしまって、だんだん男としての矜恃を持てなくなっている。
「ひっ!ぁ、やだっ…」
「とか言って、もう乳首勃っちゃってるんじゃないの?」
着ていたスウェットをたくしあげられ、上半身を冷気にさらされる。
1回弾かれたくらいでビンビンに勃ってしまった乳首ももちろん、元貴の眼前に晒されてしまったわけで、それを見た元貴の口角はどんどん、上がっていく。
「ほら。ほんとかわいいねお前」
自分の顔の温度が上がっていくのがわかる。
ばかやろう、こっちの気も知らないで。
くに、と乳輪を指の腹で弄ばれたまに乳首を掠める。そのたびに鼻から抜ける声が自分じゃないみたいで恥ずかしい。
「ふぁ、ぁあっ…!やだ、ちくびやだっ…」
「腰へこへこしてんじゃん、もうすっかり女の子みたいだね」
素肌とスラックスの間に空いてる手を差し込まれて、徐々に硬さを増してく性器に触れる。
「こっちも硬くなってる。乳首きもちいんだ。若井は後ろでも感じるようになってきたしね」
「…うるさいっ」
「どんどん性感帯増えてきちゃったね。全部俺のせいだよね?」
わかってるくせに…!
「〜っ、もう、ほんとうるさい!」
「あっはは!ほんっとかわいい」
心底愛おしいみたいな瞳で見てくる元貴。
情事中にはこのような目を向けてくるが、仕事の時はいつも通りなので俺は一喜一憂してしまう。元貴が一体俺の事をどう思ってるのかが分からない。
そんなことを考えてると、俺の濡れそぼった肉棒を取りだして、緩やかに上下に扱き始めた。
「やぁあっ…!んあっ」
「声、かわいい」
「やっ、いわないでっ」
「ほんとに思ったから言ってるだけだよ」
しばらく乳首と性器をいじめられ、2回ほど達したあとやっとおしりの穴への前戯を始められた。
「ずっとひくひくしてたよね?誘ってんの?」
「はっ…しらなっ…あ゙、! 」
オイルを馴染ませた指が蕾に突き入れられ、異物が中へ中へと入ってくる感覚に襲われる。 きゅうきゅうと無意識に締めてしまって、よりダイレクトに指の感覚が伝わってくる。
「ほら若井、力抜いて?こんなんじゃ俺の入んないよ?」
「あぁっ、あ!♡ やぁ、うごかさないでっ」
「若井のためにしてんのー、はい我慢」
一応お風呂場で自分でもほぐしたというのに、やっぱり自分と元貴じゃ快感の差が違いすぎる。それくらい、元貴の触るところ全てが気持ちいい。
言葉はいじわるなくせに、中に埋まってる指は優しく丁寧に動く。それに、先程から元貴の硬くなってる股間が当たっているのだが完全に俺への愛撫に徹しているのか何もしようとしてこない。そういう紳士的な一面も好き。
控えめに足された指の本数に腰がびくびくと跳ねる。それと同時にオイルも足されて、出したくもない嬌声が部屋に響く。
「ひあんっ、あぁっ、もときぃっ」
「なに?」
「も、もういいからぁっ」
指じゃ届かない奥の方が、さっきからずっと何かを期待してずくずくと疼いている。我慢しきれず、つい口に出してしまった。
「もういいって、なにが?ちゃんと言ってくれなきゃわかんないな」
そんなわけない。普段怖いくらいに周りのことが見えていて空気に敏感な元貴が、分かりやすい俺の事についてわからないわけがない。
「わかってるくせにっ…!」
「なにが?まじで笑。ほら、いいから俺にどうして欲しいか言いなよ 」
……楽しんでるな元貴。この状況を。
「もうっ、………いれてください…」
「なにを?」
ニヤニヤとしながら俺にそう聞いてくる元貴。普段あまりこういう猥語を言わないから羞恥度が限界突破してキャパオーバーしそうで涙目になりつつある俺。
カーストというか、上下関係がひと目で分かる図だろう。
「うぅっ、やだぁ…わかるでしょ、ばかっ!!」
「〜〜、 ……はぁ、まあこれは次回にお預けにしよっかな♡」
どうやら逃げきれたらしい。俺がバカ!ってさけんだ後 片手で目頭を押さえながら天を仰いだ元貴にすこし心配したが、大丈夫そうだ。
ホッとしたのもつかの間、すぐさま俺の腰はがっつりと掴まれ、ズプズプと元貴のが挿入されていく。慣れたもんで馴染むのが早くなり、元貴の太いのが脈打ってるのが肉壁にびりびりと伝わってくる。
「あ゙ぁぁ〜〜っ……!!♡♡ 」
「これが欲しかったんだよね?ほんと可愛いね」
「は、あんっ♡あ、うぅっ…!」
気持ちいい、気持ちいい。
「ごめん、ちょっとはやくするよ…」
すこし息を上げた元貴が興奮交じりにそう囁いてきた。けど今は言葉の意味をよく噛み砕けなくて、もはや目がチカチカしてくる。 宣言通りに速いストロークで打ち付けられる腰に喉からは意味のなさない母音ばかりが溢れていく。
「あぁっ、やぁ、ああんっ、ひ、あ゙ぁんっ…!」
「わかいっ…、すき、すきだよ」
「ゔっ、♡うん、ひう!♡ 」
「ねえ、若井はどうなのっ」
眉間に眉を寄せて、珍しく必死になってる元貴。いつもは好きって伝えるだけ伝えてこちらになにか言わせようとはしないのに。
「お、れもっ、ぁ!♡すきぃっ…!」
「!…やっと言ってくれた」
ふわぁっと、花が綻ぶように微笑んだ元貴に急激に愛おしさが込み上げてくる。どちらからともなく唇が重なり合い、俺たちは順序を間違えてしまったが晴れて恋人同士となった。
「好き、好きだよ、若井」
普段じゃ信じられないくらいの甘い声と甘い視線を致死量浴びせられて、幸せすぎて飛んでしまいそう。元貴って意外と愛情表現をするのか。俺しか味わえない感覚に、優越感と際限ない幸福感で今俺はこの上ない間抜け面をしてるだろう。言語化するなら…ふへ、でへって感じ。……あ、元貴いまちょっと鼻で笑ったな。
「可愛い笑。ごめんごめん、すぐ気持ちよくするからね」
「え、へ?…んっ?!♡」
微かに動かされた腰の動きに忘れかけていた性情が呼び起こされる。
「付き合ってすぐセックスとか、俺たちめっちゃお盛んだね」
「ほ、ほんとだよっ…!、んあぁ!♡」
今思えば元貴はかなり好きだの可愛いだの言ってくれてたなぁなんて考えて、また幸せな気分になって。
俺たちはまた、優しい口付けをした。
これは余談だけど、「なんで急に俺にもす、す、好きって、言わせようとしたの?」って聞いたら、「だって若井、俺のこと好きなの丸わかりなくせにいっこうに言ってこないんだもん笑」って言われた。
「性処理みたいに扱ってたのはごめんね、でも、俺は毎回若井を恋人だと思って抱いてたから」
攻撃力の強すぎるダブルパンチに、俺が赤面したのは言うまでもなかった。
(終)
コメント
4件
なんかこっちまで幸せな気分になってくる……!更新ありがとうございます😭😭😭 神作品だぁ
幸せいっぱいの最後が幸せ〜✨ 若井さんおめでとうございます🎉