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なんとなく







俺と初兎は,このニンゲン界でたった二人の獣人。



初兎は当てがないうえに、



この世界に来た時のニンゲンからの仕打ちがトラウマになってしまい、



俺の家に篭りっきりだ。



だから、初兎にとっては話せるヒトは、



俺だけ。



そんな生活だから、俺たちはずっと側にいる。



元々一人暮らしの為、同じベッドで寝て、起きて。



黒「っ、ん… しょう。朝… 」



白「んん“…やぁ、まだ…ねる 、」



服もいらないとか言うから、せめて。と、



初兎にとってはぶかぶかの、俺の服を貸して。



黒「… ちゃんと合うサイズ買ったるよ?」



白「ううん、ど~せ家でられへんもん。これでいい。」



落ち着くのか、匂いを嗅ぎ出す初兎は可愛い。



仕事に行こうとすると、玄関まで着いて来て。



白「いってらっしゃい悠くん。頑張ってな~ 」



と、微笑んでくれる。



黒「ん、いつもありがとぉな。行ってきます」



こんな毎日。



家族でなければ、恋人でもない。



黒「… ん,……  」



今日もいつも通りに、君より早く目が覚める。



白「… すぅ、… すぅ、 …… 」



ふわふわの可愛らしい髪を撫で、身体を起こす



我ながら馬鹿みたいだと思いつつ、



黒(こんな幸せな片想いはないな。)



と、今日も初兎を起こす。












いつのまにか、



仕事に行く時は頭を撫でてくれるようになった



一緒にお風呂に入るようになった



暇な時間は、ソファに座って飲み物を持って



君の肩に寄りかかる。



黒「どしたん 笑 甘えたい、?」



白「…  ん 、/」



生返事を返せば、君は優しく僕の身体を寄せる



両想いなんて、そんなんじゃ。ないのに。



白「、んふ… 」



ほんと、馬鹿みたい



想いを伝えられなかった僕たちは



中途半端に、なんとなくで愛し合って。



今日も多分。



無性に切なくて涙を落とす。





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