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「もう、こんな関係やめよう。」朧月が闇夜を照らし出し、桜の花びらが風に吹かれて数枚空を舞う静かな夜、太宰は云った。「どういうことだよ。」突然の事に俺は動揺した。俺と太宰は身体のつながりだけの関係、所謂セフレだ。今夜も太宰にベッドの上で抱かれ、事を為している途中だった。「其の儘の意味だよ。もうこんな事をする必要は私達にはない。中也だって判っているだろう?あの頃の私はもう居ないんだ。全てを諦めた私にどうしてそこまで執着するんだい?」太宰は薄く笑って片付けを始めた。少し物足りない気持ちを抑え、俺は口を開いた。「手前を壊したのは俺だからさ。俺の我儘の所為で全てが崩れた。違うか?」太宰はほんの少しだけ目を見開いてまた元の切ない表情をして云った。「中也の所為じゃあないよ。君は私を解放しようとしてくれたんだから。彼の死や、其の苦しさから。」そう云って太宰は俺から目を背ける。その姿からも自分の過ちを悟ってしまう。「織田が残した言葉を⋯俺は⋯」俺は自分の愚かさと太宰の優しさでどうしよもない程胸がいっぱいになってしまった。太宰も太宰で何を考えているか判らず、自分のことを責めていたらと思うと何も言えなくなってしまった。暫くの沈黙が続いた後、太宰が口を開いた。「⋯⋯もう、やめよう。こんな関係。次の約束は⋯もう、、、」絞り出すような声で太宰は云った。俺はもう太宰の側に居てはいけない。そして今度こそ俺は太宰の気持ちを尊重しなければと思い云った。「嗚呼。判った。お互いに 忘れよう」


その後、入水自殺の報道で太宰の名前が上がった。

俺はまた、 選択を間違えた。

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