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昼休み、教室はいつも通りざわざわしていたが、今日は少し様子が違う。
「先生たち、付き合ってるんだって!」
「ほんとに? 昨日の放課後見たもん!」
生徒たちは嬉しそうに話題にする一方、二人の反応をじっと観察している。
ミユは机の前に立ち、冷たい目で教室を見渡す。
「……聞こえていますよ。勝手に噂を広めないこと」
コビーは微笑みを浮かべ、生徒たちの興奮を少し和らげる。
「ええ、でも僕たちは教師です。節度は守ってくださいね」
生徒たちは少ししょんぼりするが、内心は楽しくて仕方がない。
「でも先生たち、ちょっと羨ましい……」女子生徒が小声でつぶやく。
ミユは厳しい表情を保ちつつも、肩越しにコビーの手にそっと触れる。
「……油断しないでよね」
コビーは微笑み返し、手を軽く握る。
「ええ、でも少しくらい見られてもいいかもしれませんね」
教室のざわめきの中、二人の間にはほんのりと照れくさい雰囲気が漂う。
生徒たちはそれを見てさらに興味津々になり、休み時間の話題は先生たちの恋愛で持ちきりになった。
その後の授業中も、二人はぎこちない微笑みを交わしながら、互いの存在を確かめ合う。
秘密ではなくなった恋は、生徒たちにバレたことで日常に少し照れくさいスパイスを加え、学園生活をさらに楽しいものにしていた。