テラーノベル
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こんばんは🌛✨
今日はバレンタイン(めちゃギリ)ということで、バレンタインの2人のお話です🎀♩(自分が描きたくて描いた)
実際本編ではバレンタインを迎える前にシオンは倒れてしまうのでバレンタインは迎えてないのですが、ここはifの物語という事で……()
関係性は付き合っては無いけど、お互い好きなのは分かってるというなんとも言えない状況です🙇🏻♀️՞
是非見て頂けるとうれしいです😭♡♡
サビ組事務所のドアが、軽やかに開き チョコペンの甘い匂いが事務所の空気にふわりと広がる。 続いて現れたのは、胸元が大胆に開いたワンピースを纏ったシオン。
露出度の高い生地が彼女の白い肌を惜しげもなく晒し、大量のチョコペンを両手に抱えていた。
『カラスバさ〜ん!! ハッピーバレンタイン!』
カラスバはパソコンから顔を上げ、眉を寄せる。
「……おん。それで、この大量のチョコペンはなんや。あとお前の服装も」
『察しが悪いですね〜!! ほら、チョコは私♡ってやつです』
シオンはにこにこしながら、『さあ!それを思いっきりかけてください!!』とばかりにカラスバに近づく。
だがカラスバは無言でチョコペンを掴み、近くのゴミ箱へぽいっと投げ入れた。
『なーッ!? ひどいひどい!!』
「阿呆かお前は!!その寒そうな服もええ加減やめえ!!」
『えーんっ、全然』
シオンが泣き真似をするのを見つつ、カラスバはため息をつき自分のジャケットを被せる。
シオンはジャケットの下で、ムスッと頰を膨らませるがすぐにカラスバの近くへ寄り添う。
『はぁ……まぁ、ちゃんとしたのは持ってきてますよー』
リザードンが大きな袋をくわえて持ってくるとカラスバとジプソへそれを渡す。
カラスバにはペンドラーとアーボックを模したカップケーキ、ジプソにはエアームドを模したタルトが入っていた。
「私までもありがとうございます」
『いえいえ〜! あ、毒もってないですからね』
「…ええ、分かってますよ」
ジプソはシオンに対しまだ少し警戒心を残していたが、この無邪気な笑顔を見ていると、少しずつ心が解けていくのが自分でもわかった。
シオンもそれを感じ、少しは信頼されてきたのかな?と胸の奥がじんわり温かくなる。
「これ、お前が作ったん?」
『はい!お菓子作りって凄く楽しくて…これからも沢山したいなぁって』
───沢山したかった。
ふと、カラスバの机に目をやると、チョコレートの山が積まれている。
顔もいいし、わかる人にはわかる優しい性格。そんなカラスバに私以外にも想いを寄せる人は山程いるのだろう。
『…モテるんですね──』
「ジプソ、これ全部捨てとって」
「かしこまりました」
『えっ!?す、捨てちゃうんですか!?』
大量のチョコをジプソに渡すカラスバに、シオンは目を丸くする。
「こーゆんは大概毒盛られとるしな」
『えっ!?ぅ、ゲホッ! ゴホッ……』
「ほんまに心許しとるやつからのもん以外は受け取らんねん。てか大丈夫なんジブン」
『だ、大丈夫です!』
咳き込むシオンを、カラスバは心配そうに見つめる。
『ゲホッ……それより…わ、私には……心許してるんですか……?』
「さぁな、気まぐれかもしれんし」
『!えへへ……嬉しい』
嬉しそうに頰を緩めるシオンを、カラスバは見つめる。
そんなカラスバの耳が少し赤く染まっているのをジプソはそっと気づいていた。
「カラスバ様、私は用事があるので外に出ていますね」
「おん」
ジプソが去ると、事務所にはシオンとカラスバの二人だけになった。
「エイセツシティ行くんもあと少しやな」
『!そう、ですね……』
「なんや浮かない顔して、エイセツシティ行きたい言うたんはお前やろ」
『あ、あははっ!そうなんですけどね〜……』
どこか寂しげなシオンの表情をカラスバは不思議に見つめる。
シオンはエイセツシティへ行けばカラスバと離れてしまうことが怖かった。
カラスバとの幸せな思い出が増えるたびに、強まる死への恐怖。全てを投げ出して、ずっと一緒にいたい。
『(…あー…やだ、泣きそうになってきちゃった)』
「……シオン」
『え?わっ!?ちょっ!?』
「外出るで」
『え!?今から!?』
驚くシオンをよそにカラスバは強引に手を引き、事務所を出た。
『カ、カカ!カラスバさん!助けてっ……!!』
「ぷはっ! お前でもできひんことがあるんやな」
連れてこられたのは、ミアレに期間限定で作られた小さなスケートリンク。
産まれたての子鹿のように足を震わせるシオンを見て、カラスバは笑いながら手を差し伸べる。
『わっ!?わわっ!手、手!離さないで!!』
「さー、どーやろな?」
『怖!ヤクザ!!』
慌てふためくシオンを見て、カラスバは楽しそうに笑みを浮かべる。
基本なんでもできるシオンをリードできるのは、心地いい。
それに、これを口実に手を繋げられるのも……
少し滑ったあと、近くの椅子に座って休憩する。
『うぅ……スケート難しい……けど、楽しかったです!』
「そらよかったわ。お前の初めては出来るだけオレで埋めたいし」
『えっ?……えっ!?』
カラスバの言葉に、シオンは目を見開き、顔を真っ赤に染める。
カラスバも少し頰を染めながら、「そない驚くことでもないやろ」と目を逸らす。
そんなカラスバに、シオンは胸をときめかせながら、そっと口を開く。
『心配しなくても、私の初めてはほぼカラスバさんだけですよ』
「ははっ!そか、そら嬉しいわ」
『うぅ……根っからのミアレ男子〜、やだー……』
顔を赤らめるシオン。
そんな珍しい姿に、カラスバの口角が上がる。
「せや、お返し楽しみにしとってな」
『お返し?』
「チョコのお返しや」
『あ、ホワイトデー……』
どこか得意げに笑うカラスバ。
「ま、楽しみにしときや。ミアレ1いい男が選ぶとっておきのお返しさかい」
『あははっ!じゃあ、楽しみにしておきますねっ』
シオンは笑みを浮かべる。
『(……ま、その時には私はもう居ないんだけど)』
そう思いながらも、カラスバの言葉に胸がじんわり温かくなる。
そんなシオンをよそに、カラスバはホワイトデーのことを頭の中で考える。
「(この感じやとホワイトデーの頃には付き合っとるし……どっかええディナーに連れてったあとプレゼントするんもええな……シオンそういうの好きやし)」
シオンの名前の由来の花をメインにした花束にするのもいい。
チョコも、甘いものが好きなシオンならホワイトチョコの方がええやろうし……
『カラスバさん』
「ん、なんや」
色々考え込んでいると、名前を呼ばれ、シオンの方へ振り向く。
───チュ。
「……なっ」
頰に触れる柔らかな感触。
シオンの甘い香水の匂いが鼻をくすぐる。
顔を赤らめるカラスバを見て、シオンはにししっといたずらっ子のような笑みを浮かべた。
『えへへっ、バレンタインだから特別ですよ?』
「っ!はー……お前もつくづくミアレに染まってきたな」
『ミアレというより、カラスバさんでは〜?』
「は〜……ほんまお前な……」
照れるカラスバを、シオンは幸せそうな笑みで微笑んだ。
きっとこの日常はずっと続くものだと信じて
3月14日
病室のベッドの上。シオンは静かに眠っている。
カラスバは、そっと髪を撫でながら切なげに笑った。
「とっておきのお返し、楽しみにしとる言うたんはお前やろ」
返事はない。
ただ、病室にカラスバの声が優しくこだまする。
「……はよ起きぃや。起きたら、とっておきのお返し渡したるんやから」
シオンの手を取る。
少し冷たくなった指先に、そっと唇を寄せる。
「約束やで……」
病室の窓から差し込む光が、二人の影を長く伸ばしていた。
コメント
4件
これで起きたら、シオンちゃん記憶無いんだからつらたん ( TДT)

うわーー!!!!めちゃくちゃ切ない(´;ω;`) もうすぐ居なくなるシオンちゃんの横で何も知らずホワイトデーの事を考えてるカラスバがめちゃくちゃ対比すごくて泣きました(´;ω;`)(´;ω;`)そして最後(´;ω;`)