TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
虫蝶

一覧ページ

「虫蝶」のメインビジュアル

虫蝶

1 - 虫蝶

♥

6

2024年06月12日

シェアするシェアする
報告する

6月。大雨の中、◯学生の私は学校から下校していた。

傘をさしているのにも関わらず、大きな雨粒は 私の身体全体をびしょ濡れにし、早く帰りたいな。とばかり考える。

そんな時、一匹の蝶がよろよろと雨に打たれながら傘へ入ってきた。思わず私は蝶に手を差し伸べ、蝶が安心して休憩が出来るスペースを作った。

手に蝶を乗せ、家の玄関までついてしまった。お別れをさみしく思うが、中々手から離れてくれない。少しつよく腕を振っても、しっかりとくっついている。

仕方がないので私は蝶と家に入ることにした。

蝶を潰さないよう、慎重にカバンを下ろし、しばらく蝶のことを見ていた。黒く、少し緑がかった、美しく大きな蝶。蝶を見ている時間はとても楽しかった。

だがそろそろ親が帰ってくるので、流石に蝶を外へやらなければいけない。

突然、私の中に、変な感情が生まれた気がする。目が蝶にしか離せない。欲望がどんどんと強くなる。

私の欲望を、

私は受け入れた。

私は、手にいる蝶を片手でぐしゃりと握りつぶした。その瞬間からほんの少しあとから、気味の悪いドロリとした液体が、握った手から溢れでた。気持ちの悪いけど、とてつもなく気持ちがいい。

蝶の羽が折り曲がっている。綺麗な粉が、いろんなところについていて、少し邪魔に思うほどだった。

さっきまで命のあったものが私のしょうもない興味で今、さっき亡くなったと考えると、首筋あたりから腕までぞわりとした感覚が襲った。

この蝶のことが、とても美しいと感じる。とても。とても美しい。蝶を触るとシャリっという感触が、生き物を感じさせた。

だがもうその美しさは消えてしまった。

私はゴミ箱を持ってきて、虫を捨てた。跡形もなく、親にバレないように。ゴミが部屋に落ちていることなんて、親はとても考えられないだろうから。

loading

この作品はいかがでしたか?

6

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚