テラーノベル
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ある日、貧民街で少年を見つけた。まだ小さくて、幼い男の子。自身の相棒と呼ばれる少年よりもひとまわりは小さいであろう。齡は十歳程だろうか。
貧民街の子達は戸籍がない。一人居なくなっても誰も気にしない。あの子は落とし物だ。誰のものでもないのなら、私が貰ってしまおう。
────その日、一人の子供が貧民街から消えた。
満月を背に、貧民街を音もなく、悠々と歩く青年が一人。貧民街によく居る襤褸切れのような服を着ている訳でもない。とても貧民街には似つかわしくない高級そうな外套を羽織り、これまた高級そうな靴で、貧民街を歩いている。
其の青年の名は太宰治。悪名高いポートマフィアの最年少幹部である。
彼にとっては欠伸が出る程簡単だった任務を恙無く終え、帰る途中であった。其の帰路の途中、家を見つけた。
家と言ってもボロボロで、今にも崩れ落ちそうなものだ。太宰だっていつもはそんなものに興味は湧かない。抑も、彼の興味を引くもの等滅多にない。只の家だと分かっている。分かっているのだが如何しても、目が離せなかったのだ。
自分でも何故か分からない。只、惹かれてしまっただけ。
太宰は抗いがたい誘惑に負け、気配を消してそうっと中を覗いてみた。
入り口の一番近くに黒髪の少年が眠っていた。奥の方にも子供が居て、身を守るかのように固まって眠っていた。
心臓が、ドクドクと脈打っているかのようだった。
────嗚呼、あの子が欲しい。
衝動が太宰を襲った。自分が今どのような顔をしているか分からない。然し、酷い顔をしているだろうと思った。それだけに太宰は其の黒い少年に夢中だった。
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まだ途中で終わってる下書きがいっぱいあるんだけどどうしよう…他書き終わってからにしようかな、、後回しはよくないよね