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これが、俺のデビュー戦の相手か。
ワクワクしながら、まずはステータスを見てみる。ふむふむ…。
戦士:男:レベル25
盗賊:男:レベル24
僧侶:女:レベル23
魔術師:男:レベル20
アーチャー:女:レベル20
へぇ、面白いパーティーだ。
盗賊やアーチャーまで入っているパーティーはなかなかいない。
カエンが鍛えたいというのも、分かる気がする。
モニターの向こうからは、冒険者達の話し声が聞こえてくる。(もちろん、話し声も観客に筒抜けなのは、冒険者に説明済みだ)
「しっかし、ギルドの地下に訓練用のダンジョンとはな。さすが守護龍様の考える事はスケールが違うねぇ」
軽い口調で戦士が言う。重そうな大剣を片手に、仲間を守りながら闘っている。チャラけて見えるが、こいつ、実力者だ。
「カエンが挑戦してみろと言うんだ。我々にも、何か得られるものがあるんだろう」
盗賊がクールに笑う。実はここまでのトラップは全てこいつに解除されている。パーティーの中でも、戦士とこの盗賊の実力は抜きん出ていた。
「手頃な依頼もなかったし、ちょうどいいんじゃない?」
可愛い顔してメイスを振り回す、パワーファイター顔負けの女僧侶は、ここまで一切回復魔法を使用していない。
「僕ついてくだけで精いっぱいだよ~」
断崖絶壁に苦戦しまくる、草食男子代表のような魔術師。
「………」
冷静にパーティー全体を見渡し、死角から近づく敵を確実に倒す、女アーチャー。
5人の実力はなかなかだ。
これは、俺にも出番がありそうじゃないか?
「プリンセス・ロードの挑戦者、もうすぐ中間ゲートですぅ」
え?もう?こうしちゃいられない!
ちょうど起きてきたゼロと交代し、俺は受付に転移した。
プリンセス・ロードでは、挑戦者が中間ゲートを通ったら、希望者にも体験させる事になっている。まだスタートから20分くらいだ。希望者がどれ位いるか把握したい。
受付のシルキーちゃんに状況を聞いてみる。
「それが、お申し込みが予想以上でして…今、12組34名いらっしゃいます」
「おう、ハク。しょうがねえから、今日は3組くらいにして、後はオープン後の予約にした方がいいかもな、って話してたとこだ」
カエンが察して、話に入ってきてくれた。確かに12組全部は捌ききれないだろう。
「いやぁ、人間ってのは面白いなぁ。全然やる気なかったヤツらが、女の子捕まえて6人で挑むとか言って来てるぜ。冒険者同士でも今結成したみたいなチームが結構いるんだ」
…なんだそれ。
ダンジョンでナンパすんなよ…。
呆れ加減でカフェコーナーを見ると、そこは不思議な一体感が生まれていた。
今は丁度、プリンス・ロードで戦闘が行われている真っ最中のようだ。
レベル6~7の冒険者4人が、プチドラゴンとツル薔薇、ホブゴブリン2体に悪戦苦闘しており、ほとんどの観客達がそのモニターに釘付けになっている。
「危ねぇ!まずはツル薔薇に巻きつかれたヤツを助けねぇと!」
「バカ野郎!まずは数を減らせ!プチドラゴンは後だ!」
「頑張って!そっちのホブゴブリンは、あと1回当てれば倒せるわ!」
訳の分からない一体感で、熱く応援している。
なるほど、この雰囲気の中で意気投合して「自分達もチャレンジ!」ってなるのか…?
面白いのは、キング・ロードの熟練冒険者達を、冷静に観察している観客もいる事だ。ほんの14~5人だが、どうも、罠の解除や戦闘を、分析しながら見ているようだ。
ざっと観客の様子も確認し、俺は急いでマスタールームに戻る。ゼロに報告し、方針を早急に固めるためだ。カエンから貰った情報も纏めて伝達する。
ゼロは少し考えて、ブラウを呼んだ。
「ブラウ、カエンに伝えてくれる?1組め、冒険者と一般混成パーティー。2組め、一般のみのパーティー、3組め、本日結成パーティーって」
ブラウはブツブツ繰り返しながら、受付に転移する。後は、カエンが何とかしてくれるだろう。