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「37度5部…」
桃瀬のお母さんが、体温計を見て言う。
「ガチか……」
「学校に連絡しておくわ。」
「うん…」
「暇だ〜」
桃瀬の両親は、共働き、弟の裕翔は学校。
家に一人取り残され、する事のない桃瀬。
「漫画でも…」
自室にある連載漫画の一巻を取り出し、読み始める。
「読み終わった…」
ベッドの周りに約二十巻ある連載漫画が散らかっている。
「片付けるか…」
漫画を手に取り、本棚にしまっていく。
「終わった〜、…昼食の時間か…」
キッチンに行き、冷蔵庫を開け、お母さんが作ってくれた弁当をとり、自室に戻る。
「本当は、今日、校庭で友達と一緒に話しながら食べたはずの弁当…」
黙々と食べる。
美味しくない訳じゃない。
だが、本当だったら、友達と一緒に話しながら食べれた。
(人と一緒に食べた方が美味しくなるって、この事だったんだな…)
昼食を食べ終わり、再びベッドの上で暇になる桃瀬。
(今頃、2年がやってるんだろうな〜……)
学校でもらった、球技大会の手紙を見て思った。
(今、何してるんだろ……)
「ピンポーン」
インターホンが鳴り、目を覚ます。
(寝てたのか……誰だ?)
インターホンの画面を見ると、保住が写っていた。
「何?」
[あ!桃瀬?元気?]
「元気だけど」
[大丈夫〜?差し入れ持ってきたんだけど〜!]
「どうも」
[開けて〜]
「待ってろ」
さすがにパジャマで会うのは嫌だったので、私服に着替え、ドアを開けた。
「どーも〜」
「こんにちは……」
「!?」
「やあやあ桃瀬〜」
ドアを開けると、朝井と萌田も居た。
「え…?萌田さんと朝井さんは、どうしてここに…」
「呼ばれちゃってねぇ〜笑」
朝井が、満面の笑みで答える。
「違うでしょ柚香…」
「まぁまぁ〜細かい事は気にせず…お邪魔します〜」
保住が、家の中に入り込む。
「あ、おい!」
「え!?じゃあ私も〜お邪魔しま〜す」
「ちょっと、保住さん?!柚香!?」
「…、萌田さんも、入る?」
「え…、でも、桃瀬さん、風邪…」
「大丈夫、もうほぼ治ったし」
「じゃあ、少しだけ…お邪魔します…」
「おぉ!桃瀬〜部屋綺麗じゃん!」
「暇だったから掃除した」
「あ!ここの漫画!私も好きなんだよね〜!!桃瀬君も好きなの?」
「ま、まぁ好きだね」
「これ…」
萌田が、桃瀬の壁に飾ってあるトロフィーやら、盾を見上げている。
「あぁ、これ?」
「桃瀬が幼きころに獲得したものだよ…!」
保住が自慢気に言う。
「なんでおまえが自慢気に言うんだよ…」
「ふん!まあな」
「褒めてねえよ…お茶、入れてくるね。どこか適当に座っといて」
「桃瀬〜俺の差し入れ袋持ってきて〜」
キッチンに行き、冷蔵庫から麦茶を取り出し、四人分のコップに注ぐ。
(保住の言ってた袋って…これか)
麦茶をお盆の上に載せ、片手で持ち、もう片手に保住からの差し入れ袋を持って、自室に向かう。
「お待たせ‥って…何してるの…」
自室に戻ると、異様な光景があった。
「あ、桃瀬〜遅かったね〜」
「何してるの…?」
「いやぁ…ちょっと…ねえ…」
朝井と萌田の雰囲気が、いつもと違う。
「柚香が悪いんだもん」
「いや、海莉だよ」
「何しちゃったの…?」
保住が説明してくれた。
桃瀬がいなくなってすぐ、朝井と萌田がぶつかって、壁に飾ってあった盾を落としてしまってらしく、慌てて拾ってみたが、盾の角がかけてしまったらしい。
「それの擦り付け合いみたいなもん」
「あ〜…」
「海莉が謝んなよ」
「柚香こそ!」
「あのさ…、二人共…」
『!!』
「これ…」
「ごめん!私が不注意で海莉にぶつかったから!」
「ごめんなさい!私が前を見ていなかった為に…」
「あ、いや、これもとから欠けてて…」
『…え?』
「えーっと…思い出話になるんだけど…」
桃瀬が小学生の頃、学校の宿題で入賞し、学校で表彰されることになった。
しかし、表彰され、盾を手渡された時、手が滑ってしまい、盾を落としてしまった。
その時に盾の角が欠けてしまった。
「だから、二人は悪くないんだ」
「…」
「…柚香」
『ごめん!…あっ』
「人のせいにしてごめんね」
「私もごめんね…」
謝りあう二人。
「結果オーライ?」
「多分な」