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恋魅夜side
今日は、火曜日。
1度家に帰り、いつもの場所に向かった。
日が沈み出してきた頃に来たので
夕日と、早朝に降った雨で現れた虹が凄く
綺麗だった。
「夕日を見てると、色々思い出すな…」
私は昔、色々なことがあった。
過去のことであまり良い記憶はないが、
唯一、とても良い記憶がある。
それは…
“”
私は昔から「不思議」とよく言われていた。
幼い頃はよく分からなかったが、小学5年生あたりで人が自分に感じている「不思議」が何となく分かった。
だが、気づいた時には周りに人が寄り付か なくなっていた。
そんな中、1人だけよく話しかけてきた人がいた。
「ねぇ、君は自分のことをどう思っているの?」
その人はよく私にそう聞いてきた。
「まぁ、他の人が言うように不思議なんじゃない?」
私はそう答えた。
すると、その人は「いつも通りだね。」と
つまらなそうに少し笑った。
そんな毎日を繰り返して小学校を卒業し、
気付けば中2の秋になっていた。
少し寒くなりそろそろ上着が必要だなと思うような季節だった。
相変わらず中学でも友達は出来ず、小学校から一緒のあの人としか会話はしていない。
そうではあの人の名前、聞いたことないな。
散々話しているのに名前を呼ばないから
知らないな。
今度聞いてみようかな?
そんな事を考えながら登校しているといつの間にか学校に着いた。
橘花《きっか》中学校。ここが私の通って いる学校だ。
この学校は生徒が925人と結構多く、部活や行事がさかんに行われている。
色々な大会で勝ったりして表彰されている部もある。
私達、2年生は全部で4クラスある。
ここでこの学校の特殊な所がある。
それは、クラスが『2年B組』などの アルファベットではなく花の名であるところだ
2年生は、『桔梗』『秋桜』『金木犀』
『矢車菊』だ。
私は『桔梗』組で、いつも話しているあの人は 『金木犀』組で教室が隣なので話に行き やすい。それが唯一の救いだ。
『桔梗』組は男子と女子は仲が良く
会話したり、遊んだりしている事が多い。
だが、私には『桔梗』組に仲の良い人が
1人も居ないし、なんなら嫌われていると
思う。
なので、クラス 一丸になって行う文化祭では準備の時点で意思疎通が取れなくて少し困っている。
ちなみに今回の出し物はカフェだ。
大道具作り担当や、買い出し担当、接客などの担当のどれかに別れて作業する。
私は、小道具担当になった。他の人は3人ほど居るが、3人で固まって話をしていて完全に1:3で分かれている。
「まあ、しょうがないか」と思って作業を進めた。
作業が順調に進み、「そろそろ帰ろうかな?」
と時計を見ると2時間も経っていた。
帰る準備にしていると接客担当のリーダー『桃葉 ナナ』さんに声をかけられた。
『あの、仕事1人でやってるけど他の人はどうしたの?』と聞いてきた。
「あぁ、先に帰りましたよ。桃葉さんは何してるんですか?」
『私は仕事終わったから帰るところ。
え?こんなに仕事残ってるのに押し付けて帰ったの?他の人酷いね。』
「まあ、しょうがないよ。あの子たちはやりたい事があると思いますし」
すると桃葉さんは、『そっか』と言って帰って行った。
私は桃葉さんがなぜ話しかけて来たのか分からなかった が、とりあえず帰るのが遅くなってしまうので急いで帰った。