テラーノベル
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ある日のことだった。
黒いモヤが村を襲撃してきた。
それは、僕の全てを攫っていくには、あまりに呆気なさ過ぎた。
『ねぇ、お母さん、お父さんっっっ…』
応答が無かった。
『っ…!綺羅は?』
僕は、お母さんのお腹を見た。
『…え、?』
それは、あまりに残酷だった。
母さんの腹が破れ、綺羅が飛び出し、泣くこともなく、眠っている。
『綺羅…綺羅!!!』
綺羅は…、綺羅…ハ…、
マダ生きてイル
マダ、マダ
ソウだよ、そうにキマッテイル。
だって…綺羅は…、
僕の隣にいるのだから
「っ…、綺…羅…?」
あ…れ…?
「待って、何で。あの日綺羅は…、」
綺羅ハ…
『おにーちゃん?』
違う
『そんなに僕の名前を呼んで、どうしたの?』
違うはずなんだ。
「綺羅は…」
「"本物"なはずナンダ」
綺羅ハまだ生きているハズナンダ。
あの日死んでないハズナンダ。
僕は…
「生きているハズナンダ」
ーーー「はっ!」
…何回目だろう。
…黒いモヤになってしまうのは。
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