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水 side
思い出の海へとふたりで足を運ぶ 。
「…何年ぶりやろ…なつかしい、…」
そうやって海を見て微笑む君は、世界一美しい
「…結構、寒いかも、」
「ん、…ほとけ、」
「…なに?」
「分かっとるやろ、…っ、/ あっためろ、…」
「んふ、ツンデレなの、変わってないんだね」
「ツンデレちゃうし、…」
何処かよそよそしくなりながらも、会話は行う
「んね、いふくん、…」
「分かってる、一つ一つ、…確かめよ 。」
青 side
思い出の海 。
毎年来ようねって約束した、大切な場所 。
ま、叶わずに終わっちゃったんだけどな、笑
…叶えられなかった、の方が正しいかな 。
「…まず、俺らは過去に恋人だった。」
「…うん、…」
「んで、まぁ…その、…っ、」
「僕がいふくんにプロポーズ、したんだよね」
「覚えてるでしょ?」
「…おん、覚えとるよ 。…なんか、ごめんな、わざわざ昔のこと思い出させて 。」
「…僕らの大切な思い出だからさ 、こうやってまた、…いふくんに会えただけで幸せなんだから 。」
「…おん、…」
「いふくん、手、つなご、震えてるから…」
「ん、…」
君の手は暖かい 。俺には勿体ないぐらい、優しさが伝わってくる 。
「それで、…婚約者って状態、?…結婚式とか出来ずに、ほとけのこと、置いていってもうたんよな。」
自分で言ってて苦しい 。けど、言わなければ伝わらないのだから 。
「…その、ほんとに、謝っても…なんともならない、けど、…ごめん、っ、」
「ぼ、僕が、…ちゃんと、っ、…」
「ほとけ、…俺はさ、…寿命とか、病気で死ぬより、ほとけのこと守って死んだ方が幸せ。」
「もちろん、ほとけを置いてってもうたのは、…そりゃ、苦しいし…辛いし…」
「…いふ、くん、…っ、」
ほとけが俺を抱きしめる 。
「…っ、ほとけ、?」
「僕、プロポーズした時、守るって…幸せにするって、言った 。」
「守れなくて、ごめん、…辛い思い、させたよね 。」
…俺は、たくさんほとけに救われたし 、幸せにしてもらったし 、…気にしないのに 。
「…僕はさ、いふくんを失って、何もかも諦めて、…いふくんを忘れた 。」
「…無理やり、記憶から消して、…いふくんっていう存在を僕の中から消した 。」
「おん、…それで、働き始めたんやろ?」
「うん、…あんま、食欲わかなかったし、何のために働いてたのか分かんないけど…」
「けど、…体壊すぐらい仕事に熱中したらさ、いふくんのこと、完全に忘れたんだよね」
「…そっか、…」
今ほとけと話せている 。けど、一度ほとけに忘れられたという事実は、結構悲しい 。
「…俺、どうしても未練があって 。成仏?出来なくて 。」
「未練って、?」
「ほとけと結婚できなかったこと。」
「あと、…すき、だいすき、愛してるって、最期に伝えられなかったこと 。 」
「…じゃあ、結婚したら、成仏しちゃうってこと、?」
「いや、…俺、プランツドールに体借りてるだけやから 。」
「プランツドールって、愛情を与えなければ枯れるやろ?」
「仕事行ってあんまりかまってくれなかったからか、体、枯れてきてんよ 。」
「ぇ、…待って、無理、…ぃ、ふく、…また、消えちゃ…、?」
「………」
…枯れるくらいなら、ほとけと…
「…なぁ、ほとけ、」
「な、なに、?」
「俺のこと、すき?」
「すき、…世界一、…っ、いふくん以外、…愛せないのっ、…」
「だから…消えちゃ、だめっ、消えないで…っ、」
…まだ、ちゃんと好きでいてくれた 。
君にとっての幸せ 、それが俺…そんな関係が俺にとっての幸せ 。
…ほとけは俺にとっての幸せを理解してくれるかな 。
水 side
いふくんが消えちゃうかも 。
そんな事実なくしちゃえばいい 。
僕の手でいふくんを殺さないと 。
…じゃなきゃ、君の全ては僕にはならないよね?
僕にとっての幸せは君の全てが僕で作られること 。
感情も、行動も、…全て僕のものじゃなきゃヤダ 。
世界一愛してるんだもん 。独占欲があるのなんて仕方ないじゃん 。
というか、そろそろ死のうと思ってたし 。
心中 、ってやつ、いふくんとしたいな。
そしたら、君と僕だけの世界を作って、幸せになるの 。
だってそれが 君と僕の幸せだから 。
「ねぇ、いふくん、僕と死なない?」
青 side
「ぇ、」
一緒に死ぬ 。心中しようってこと、?
…死ぬことは嫌じゃない 。
というか、もう死んでるし 。そろそろこの体も枯れてまうしな 。
「それは、さ、…ほとけも、死にたいってこと、?」
「…そうだよ、…会社、疲れたし 。」
「いふくんを思い出してから、いふくんが生きて存在してない世界いらないな、って思ってさ。」
「ほとけは、それが幸せなの?」
「うん、幸せ 。僕にとっての幸せはね、いふくんだけだし 。」
すき、…すきすきすき…俺が求めてた愛って、
幸せってこんなやつなの 。
これが俺の幸せ 。
ほとけの幸せが俺 。世界一幸せ 。
「ほとけ、俺も、一緒に死ぬの、賛成 。」
水 side
…僕の幸せ 、いふくんにちゃんと伝わったみたいで良かった 。
「ほんとにっ、?じゃあ、今すぐ死のっ、!」
今すっごく幸せ 。世界一幸せ 。
「おん、死ぬ 。ほとけと一緒なら 、なんも怖くないもんね 。」
…いふくんは昔から、僕と一緒なら…って、幸せになれる選択をとってくれる 。
「いふくんっ、すきっ、世界一、っ、」
「俺も 。ほとけのこと、世界一…宇宙一愛してる、…」
「ん、僕の方が愛してるしっ…!」
「んは、俺の方が愛しとぉもん、…」
「…んーと、僕ね、ぇっとね、…っ、!」
君に好きって伝える時、いっつも迷う 。
君への愛情は言葉では表せられないぐらい大きい 。
「殺したいくらい、すき」
これがくらいが、丁度いいな 。
「俺は、殺されたいぐらい好き 。」
それを上手く返してくれるのが、僕のいふくんなんだもんね。
No side
二人で、冷たい海水に足をつける 。
「いふくん、ほんとに、一緒死ぬのに賛成、? 」
「少しでも嫌だったら、…」
「ほんとに、賛成 。ほとけと死ねるのが、1番幸せなんやから 。」
「…そっか、…いふくんのそんなとこ、すきだよ」
「…俺も、すぐすきって言ってくるとこ、すき。」
「…ん、だって全部すきなんだもんっ、! 」
「んははっ、笑 変わってなくてすきやで笑」
「んもー…っ、!ほんとにすき、? 」
「…好きに決まってる 。ほとけ以外、好きやないもん 。」
「…ね、なんかさ、今すぐ死ぬのも勿体ないし、二人で結婚式しよーっ、!」
「ぉ、楽しそう、やる 」
「こうやって〜♩」
砂に2人の名前と、ハートを印す 。
「…なんか、ほんとに結婚式、?笑」
「…というかそもそも結婚式ってどんな感じ、?」
「え、ちゅーして、…なんか美味しいの食べて…」
「…分かんないね」
「…分からんな 。」
「…美味しいもの…かき氷、?」
「いふくんが好きだったやつ、…夜中だもんね売ってるわけないよね…」
「ぁー…コンビニあるんちゃう?アイスとか最期に食べよや」
「折角だし高いの食べちゃう??笑」
「ほとけさんの奢りでおねしゃす」
「うい」
「んー♩おいしーっ、!」
二人で海の見える階段に座りながら、アイスを食べる 。
「あー…夜中の海のアイスってこんな寒いんや」
「そう、?というか、プランツドールってアイス食べれんだね 。」
「まぁ甘いもんやし 。人間の食べ物食べたら急速に成長したり、横に大きくなるだけっぽいし 。」
「ぇ、いふくん最期に太る???」
「しばくぞ」
「ごめんちゃい」
「よーし、結婚式の続きだ〜っ、!」
「…なにすんの?」
「んー?…ぇーっと、…」
「雨の日も、風の日も、病める日も、健やかなる日も、この先何十年、一緒にいることを誓いますか?」
「…今から死ぬのに??」
「来世ってこと!!」
「…誓います 。」
「僕も誓うーっ!!」
「そんな軽いノリで誓うやつちゃうやろ」
「僕らの結婚式だからいーの!!」
二人で、口付けを交わす 。
「誓いのキスってこんな感じでいいの?」
「ベールもドレスとかもないし、雰囲気出ないな 。」
「結婚式したってことはさ、いふくん僕のお嫁さん???」
「まぁ、そやな」
「わーい僕のお嫁さんっ!!」
二人で抱きしめ合う 。
「ん、重い…っ、/」
「照れてる?…かわい、」
「はぁっ、?!…俺の夫も、かっこいいし、…っ、//」
「ちょっ、それは…さすがに、照れる、…/」
「わーい照れた」
「棒読みすぎてしぬ」
「今から死ぬから正解やな 。」
「人生最後の正解(?)」
「ぁ、そーだ忠告しとかなきゃ」
「いふくん、今後ずーっと!僕以外と結婚したり付き合ったりデートしたりしたらダメだよ??」
「お前以外に惹かれる俺が想像できないし、ほとけしか俺の夫はできへんよ 。」
「さっすが僕のいふくん。僕が求めてる言葉くれる。」
「ほとけのことならなんでも分かるし 。」
「そういうとこ、すき」
「ん、おれも」
「けど、心配だからさ、…キスマつける」
「この体ってキスマつくんかな 」
「ぇ、じゃあいふくんが僕につけて」
「ん、」
「ちょっ、キスマつけんの下手すぎ笑」
「はぁっ、?!ぅるせっ、/」
「かわいいキスマでちゅねー笑」
「このあほとけっ…っ!///」
「…そーだ、プランツドールの体にキスマつくのか、検証しないとねー♩」
「ぇ、ちょっ」
「はぁ”っ、まじ、…//」
「なんでキスマいうたのにキスもしてくんねん!!」
「ぇー…最後じゃーん…ちゅー嫌い?」
「嫌いじゃないけど…長い!!!」
「やば、そろそろ明るくなっちゃうんじゃない?」
「確かに、なんか最期だから惜しくて色々やってもうたな」
「ま、それぐらいすきってことだし 。」
「じゃ、そろそろ死ぬか 。 」
「うん、」
二人で海にゆっくりと入っていく 。
「結構冷たーい」
「ま、すぐ逝けそうやね」
「ね、いふくん。幸せ?」
「…おん、世界一 。ほとけのお嫁さんになれて、こうやって、一緒にいれて 。」
「僕も、幸せ 。いふくんの夫になれて、…結婚式できて、楽しかった 。」
「…最期に、しょーちゃんに挨拶ぐらい、したかったな。」
「…俺以外のこと考えんでよ、…」
「…一応いふくんの体の親でしょ?笑…ま、しょーちゃんなら大丈夫か 。」
ゆっくり、ゆっくり、二人で海の中へ体を預ける 。
「んぐ…っ、」
2人の体が海の中で浮かぶ 。
「ほ、とけ…すき」
声に出しても消えて届かない声。けれど、想いは伝わる 。
「ぼくは、あいしてる」
お互いに手を手繰り寄せ、最期の口付けを交わす 。
二人の口から漏れる息が、泡となって上っていく。
お互いの足、手を絡めて、絶対に離さないように。
死ぬ時も、来世も、ずっといられるように。
手を恋人繋ぎに変え、最期にお互いの瞳…顔、笑顔を見つめる 。
段々と歪み始めた笑顔を合図に目を閉じて、…
繋いだ手は離さずに、そのまま意識を手放す。
そして…来世の自分達の出会いを待つ 。
これが 、君と僕の幸せの形。
二人で、君と僕の幸せの物語の幕を閉じる 。
白 side
海辺を散歩しながら、日の出を見る 。
「さーむ、… 」
なんかカイロとか持ってくれば良かった
「コンビニで買うか…」
1人で堪能するには広すぎる、海の見える階段に座る 。
暖まるために買ったカイロを持ちながら、適当に買ったアイスを頬張る 。
「寒いからカイロ買ったんにアイス食べんの矛盾してんなぁ…」
けれど、それが何気ない日々の幸せってやつなのかもしれない 。
「おーし、食べた食べた…」
「ごみ、捨てんと 。」
少し重くなった腰を上げ、ゴミ箱へと向かう。
「ぉ、僕以外にも朝っぱらからアイス食べた2人組がおるんか 。」
「僕が言えることちゃうけど、風邪引きそ」
「はぁっ、寒いし早く家の暖房で暖まろ…」
砂の上を1歩ずつ歩く 。
朝日に照らされて、砂の1粒1粒が輝いてるようにみえる 。
「ぉ、なにこれ」
波で名前のとこが消えてしまっているが、きっとあのアイスを食べたと思われる二人組が描いたであろう、少し歪なハートが描かれている。
何故、そう思ったのかは分からないが、この二人組には、幸せなってほしいと思った 。
「…いむくんとまろちゃんの様子、ちゃんと見いひんとな 。」
「この二人組みたいに、幸せになって欲しいし。」
朝からエモいことをしていた二人組には申し訳ないが、消えかかっていた名前の部分に、
「ほとけ」 「いふ」
と、名前を書き込んだ 。
「おっし、いむくん家いくかー…っ!」
もう、二人はとても幸せだということ。
そして、もう二度と、幸せな二人に会えることはないと知るのは 、どれだけの時が経っても
不可能
「幸せ」の定義 。そんなものはこの世にありません 。
成功することが幸せ 。
人と愛し合うことこそが幸せ 。
誰かを自分のものにするのが幸せ 。
笑顔になるのが幸せ 。
生きているだけで幸せ 。
幸せの形は人間の数ある…そう思いませんか?
これは、とある二人が 、お互いを想い、 お互いを欲し、 愛を伝え合い、最終的に二人の幸せを見つけることができた…
そんな一つの形の幸せに満ち溢れた物語です。
「 君と僕の幸せの物語 」↻ 終
長い間 、御愛読有難う御座いました 。