テラーノベル
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身体が動かない。
全てが重い。
ふと重く閉ざしていた瞼を開くと、暗い暗い薄気味悪い部屋であった。
車である男に攫われたのは記憶に新しい。
外は全く見えず、それどころか窓がないのである。
灰色のコンクリートで固められた部屋に、廃墟のような恐怖を感じた。
まずは脱出を考えようと、脳裏にあの男のことを思い浮かべた。
濃厚な接吻。
熱で熟れた自分。
唾液や涙でぐしゃぐしゃになった服。
顔が紅く染まるのにさほど時間は掛からなかった。
あの薄い唇の感覚と、頭がぐるぐる回る程の快楽。
お互いの唾液が混ざり合い、芯から熱を孕むような感覚。
そして、自分から出たとは思えもしないあの甘い声。
それは正直に言ってしまえば、太宰との接吻よりも気持ちよかったかもしれない。
だが、不審な男に唇を奪われ、快楽よりも恐怖が勝った。
中也は思い出すだけで腹が立ってきた。
せめて、一発、、、いや二発は己の拳を入れたいところであった。
「おや、もう起きられましたか。随分と早いお目覚めですね」
あぁ。此奴だ。
直ぐにこの男が、犯人だと分かってしまった。
そしてその男が何やら怪しい機械を持っているのも横目で捉えてしまった。
『…ッこれ以上近づいたら、殺す。』
唯一の抵抗として、このくらいしかできなかった。
それでもその男を懸命に睨みつける。
常人ならば、この場で気絶する程の殺気である。
それなのに。
マフィアの五代幹部の殺気であるのに。
小鳥の囀りかのように聞き流していた。
そして、穏やかな表情で笑ったあと、 中也が1番聞きたくないことを話し始めた。
『異能も使えず、太宰君にも捨てられた貴方が、どうやってこの状況を打破するのか実物ですね。』
腑が煮えたる想い。
目の前がちかちかと点滅する。
この男は自分を馬鹿にしているのだ。
そして同時に太宰への怒り。
何とか動かない腕を持ち上げ、身体を立て直す。
そのとき、男の表情が変わった。
「薬への耐性は矢張りありましたか。」
『…っ、これ、でも五代幹部なもん…で。手前は…俺が殺す。』
苦しい。薬に反しているのだ。
細胞の全てが重く感じる。
あぁ。これはまずい。と中也は思った。
まるで太宰相手に戦っているような錯覚を弾き起こすのである。
太宰の前では皆、子鹿と同然である。
その持ち前の頭脳で、裏を描き、更にその裏まで描く。
何処までも未来が見える男なのである。
そんな太宰と同然な此奴とどう戦えばよいのか。
そう思ってしまった。
だが、太宰である。
あの男の事なら嫌というほど熟知している。
この男が太宰であるなら。と考えてみれば、少しは楽になるかもしれない。
だが、それが仇となってしまった。
薬だ。段々と本来の力を発揮し始めた薬が、中也の身体を冷たいコンクリートの床へと縫い付ける。
そして、呆気なくひれ伏せてしまった。
『…殺せ。それが目的なんだろ?』
「殺せ…なんて命を軽く扱ってはいけませんよ。」
心底分からなかった。
この男の目的は、中也を殺すことではなかったのだ。
では、何が目的であるのか。
「先程、あれだけ愛を注いだというのに…。鈍感もいいところですよ。中也さん」
『……ッは、?』
途端に寒気がしてくる。
前のようなことをされたら終わりだ。
だが目の前の男はゆっくりとデザァトを楽しむかのように歩いてくる。
「さぁ中也さん。何処まで持つのか楽しみですね」
ヴヴヴーーーーー♡♡♡♡♡
黒い部屋に謎の振動音が広がる。
それは中也の終わりを告げる鐘かのようだった。
ゆっくりとその機械を持ってひれ伏せた中也の元へ向かうフョードルは獲物を前にした獣であった。
『…ッチ…』
歯を食いしばって、背後に固定されてしまった手を強く握りしめる。
光も何もない真っ暗な部屋である。
不快な電子音は中也の耳によく伝わる。
が、途端に電子音が止まった。
すると突然、フョードルの手が中也の下半身辺りへと伸びていった。
するり、という音がして、スラックスが脱げる。
脱げるというより、脱がされるの方が正しいかもしれない。
だが、中也は抵抗しなかった。
「おや、諦めましたか?珍しいですね。」
『…』
中也はわかっていた。
ここで抵抗するのは得策じゃないと。
今抵抗したとしても何もできることはないからである。
「まぁ精々もがいてみては如何でしょう。僕は中也さんの”声”。楽しみに待っていますから。」
その瞬間、振動音が再開された。
それは中也の太腿あたりに当てられる。
だが思ったより、中也は抵抗しなかった。
必死に何かに耐えてる様子もなかった。
快楽への訓練は特にしてはいないが、訓練だと思えば簡単であった。
そしてその顔は余裕を漂わせていた。
これくらいなら。と。
「最高に壊し甲斐があって好きですよ。中也さん。」
それはフョードルに火をつけることになってるとも気付かず。
そして中也はこの後自分がどのような末路になるのか知る余地もなかった。
とろりと液体が中也の肛門へと落ちる。
『…っ手前…正気かよ…』
ゆっくりと細長い指が中也の中へと入っていく。
中也は少し異物感がある。くらいしか感じてはいなかった。
何故なら、太宰とはこのような行為はしていないからである。
少しだけ、それが悲しく感じてしまった。なんて、女々しい考えを生み出してしまう。
そして少し出し入れされたあと、フョードルが呟いた。
「まぁ流石に使ったことありませんか。
それでは、これから頑張ってくださいね。」
丸い機械が3個ほど中也の中へと入っていく。
疑問に思ったのも束の間、振動音が鳴り出した。
ヴヴヴーーーーーヴヴヴーーーーー♡♡♡♡♡♡
『はッこんなんで感じる訳ねぇだろ。』
「それは如何でしょうか?」
途端、フョードルの手にあった注射器が中也の腕へと刺さった。
が、特に何も起こらない。
中也は今から起こる地獄を知らずに脱出の方法を考えていた。
急に身体が蕩けるように熱くなってきた。
中也の顔も熱を帯び始め、紅く染まる。
中にある振動音がやけに強く感じてきた。
全身が少しずつ汗ばんでいる。
『ふ、♡…はーぁ♡…ふぅ♡ッ…』
そのときだった。
「少しだけ、強さをあげてみましょうか。」
少し離れた椅子に腰掛け、足を組んでいるフョードルがそう言い放った。
そしてその瞬間、振動音が変わった。
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴーーーーー♡♡♡♡♡♡
『⁉︎…あ、あ”ぁ…ツ…な…んッでッ』
腹の奥底から伝わってくる振動音が自分の声へと繋がっていき、熱くなった身体から快感を感じる。
自分の口からこのような甘い声が出るのが恥ずかしく、手で口を抑えようとするが、縛られていてできる筈もない。
だが、先程のフョードルの自分を馬鹿にした言葉を思い出し、どうにか耐えようと試みる。
先程までほざいていた口からは、口数が少なくなり、代わりに甘い声が響いていった。
『…糞ッ♡…あぁ”…や…め”ろッ♡…はッぁ…』
かれこれ開始から30分も経過している。
流石に中也といえど、快楽に対する訓練は受けていないのである。
そして忍耐強い中也もそろそろ限界であった。
振動は強いまま。フョードルも目の前に座ったまま。
此方の声に耳を傾けて、にこりと微笑んでいるのには、中也への煽りも兼ねているのだろう。
『…はッぁ……あ”“♡…や、ばッ…イッちゃ…』
『イッッ♡…♡♡♡………待ッて、♡…イッた…か…りゃ♡』
下の熱が最大までいくと、どろりと吐き出し床を汚す。
コンクリートの冷たさが、感度をあげる。
その時、フョードルが椅子からゆっくりとした動作で立ち上がり、転がる中也の元に腰を下ろした。
中也の顎を片手で持ち上げながら、軽く口付ける。
「上手に後ろだけで達することが出来ましたね。ですが、まだまだですよ。」
振動は変わらずにそのまま。だが、達したのに止まらない。
『イ…ッた♡か…ら”…マッ…ジッ♡で…あ”ぁ…と”…めッ…ろッ♡ふッん”…』
糞ッ、声出したくねェのに…♡
糞野郎の言いなりになりたくねェのにッ…♡
イきたくねェのに…♡
声を出したくないと思うほど、達したくないと思うほど、限界に近づいていく。
『も…ッか♡ぃ”…あッ♡…イき”…そ♡…だ…かッ…らぁ”♡…マッ…ジッで…と…めッ♡…ろッ♡』
『…!?んッ♡…あッ♡ん”…ふ、ぁ”♡ああ”“ぁぁ”♡…やッば、イッ♡♡♡…♡』
床にうつ伏せて振動と同時に跳ねる身体を横目にフョードルは次なるプランと、”彼”への対策を考えつつ、録音機と撮影機を回す。
震動音を響かせる器械は、止まることもなく、同じ強さで永遠と動き続ける。
『…あ”ぁ…ぁ…♡糞…んッ♡く…たッば…♡れ…はッぁ、♡』
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ♡♡
『⁉︎…ん”ぅ…ふ、ぁ”♡ッ…んん”“…イッッッ~~~♡♡♡』
『…糞ッ♡…死…ねッ♡…ぁ”ああ♡…んッ…死ね♡…今…ふ♡んぅ…止め♡ねェッ…と♡』
『こーッかい♡…す…りゅ♡…ん”ッ♡ぞ♡』
段々と理性の紐が千切れていくのを間近に感じながら、甘い声で抵抗する。
そんなものをフョードルは、音楽扱いし、聞き流す。
「どんな後悔をするか分かりませんが…。何処までその気の強さ。保てますかね?」
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ♡♡
『あぁ”ぁ♡…マジッ♡…死ね♡ッ…は…ん”♡』
『糞ッ野郎♡…ぁ”♡ロクな…死に方♡ッ…しねェッ♡…⁉︎あ♡…待でッ…ほんッと♡に”』
『お”か”し”く”な…りゅ~~~♡♡♡♡♡…』
『死ね♡…ぁ…ん♡…まッじ死ね♡…糞♡…糞♡…お”ほッぁ♡…』
甘い声を響かせながら、唯一の抵抗として声を張り上げる。
理性の紐はとっくに千切れている。
ずっと止まらない震動音は、中也を深い快楽へと誘う。
すると、急に大きく中也の身体が跳ね、そのまま少し動いた後、声が鳴り止んだ。
コンクリートの冷たい壁に、震動音だけが鳴り響く。
するりと立ち、床にひれ伏せた中也へと、近づくと、その場でしゃがんだ。
「流石に堕ちましたか。お疲れ様です。続きは起きてから…。楽しみましょうね。」
反響していた音が止まり、足音と、息づかいが聞こえる。
コンクリートには、どろどろとした液体が沢山ついており、冷たい床を汚していた。
新たな部屋に移動するため、中也を抱き上げコンクリートの部屋を後にする。
自身の乾いた熱を隠すかのように、中也にあてるかのように抱き上げる。
人が居なくなり、がらんとした部屋は黒く閉ざされていた。
そして、その暗闇に溶けていくように中也自身も染まっていく。
ゆっくりとゆっくりと闇は近づいている。
毒に侵されて。
そして、
毒を孕む。
コメント
4件
このペア初めて見たけど最高です!!
前回の話、♡1000なんて、無理でしたが、書きたくなったので…笑 今回頑張りました。♡沢山ください!!!
わあ、第2話…すごく緊迫した空気が続いてて、最初から最後まで息を詰めて読んじゃいました。中也の、あのプライドの高さと強さが、少しずつ快楽に蝕まれていく感じが本当に生々しくて。それでも「♡♡♡」「糞野郎」って抵抗する声が、逆に切なくて苦しくなりました。フョードルの「愛を注いだのに」という台詞、背筋が凍るような怖さがありました。続き、中也がどうなってしまうのか、気になって仕方ないです…。
みゆき❄️🫧@フォロー欄調整中
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