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件名:白石事件について(補遺)
記録者:吉岡修司
私は今、信じられない結論に辿り着いている。
“白石美咲”は実在する。
だが、彼女は人間ではない。
圭介の記憶と罪が形を取った“投影”でありながら、現実に干渉している。
その証拠が、私の家の前に残された足跡だ。
雨の夜、確かに誰かが立っていた。
それでも、私は信じたい。
圭介も、美咲も、ただ救われたかっただけなのだと。
――報告書はここで途切れている。
吉岡刑事はその夜を最後に姿を消した。
残されたのは、彼の机の上に置かれた古びたノート。
表紙には、震える文字でこう書かれていた。
「白石美咲 ――生存確認」