テラーノベル
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勉強ができる。いつも周りに優しい。
いわゆる優等生。
ただそういった印象しかない人。
そんな人とはなんら関わりもなく終わる。
僕はそれでいい。そう思っているのに。
なぜだろう、あの時に似たようなものを目の前で感じた。
懐かしい。
いや、おかしいな。
本当に嫌な記憶なのに。
どうして…?
あぁ、この後にこの人が言うセリフがわかるような気がする。そう考えていたとき、彼女は口を開いた。
「ねぇ…、私、消えたい。」
「なるほど〜、」
午後8時。
学校を終えていつも行くカフェで会話をする。話し相手は中学校からの友達の天河楓という人。今は楓とさっきの放課後のことについて話していた。
「ん〜、似てるね。」
「え?」
「そういう気持ちになってる原因はわかんないけど、昔の晴矢と似てる気がする。」
晴矢…は僕の名前である。フルネームは風宮晴矢。
「そう…なのか?」
「うん、勘だけどね。」
似てる…か。
似てるから懐かしいって感じたのか…?
「それか… 晴矢がその人のこと恋愛的に好きとか?」
「いや、違うと思う。」
「即否定するじゃん。」
「まぁそりゃ…」
「はいはい、わかってる、言わなくてもいいから。」
いつも感じる。どうしてこの人は僕に対してこんなに優しいんだろうと。本当に何度も助かってる。今一番失いたくない人といってもいいくらいには。
「結局さ、その人どうしたの?」
「えっとー、ちょっと話聞いて、出来る限りなんとかするって言ったら帰った。」
「なんとかする…本当にその覚悟はあるの?」
おそらく…ないだろう。そんなに心も体も強い人ではないし。でも…
「どうしても放っておけない気がして…」
「確かに、その気持ちわかる。ただ…」
「ただ…?」
「…なんでもない。」
「えぇ…」
その日はそれ以降、その話はしなかった。そのまま午後11時をすぎ、家に帰った。お風呂を上がり、ベッドで天井を見ながら考える。
消えたい…か。
いつも笑ってる人が必ずしも幸せというわけではない。あの人も…いつも笑顔で周りに接している。ただ心は多分…笑っていない。その限界な心は晒すことができないんだろうと思う。だから全くと言っていいほど関係がなかった僕に想いを叫んだ。
どうにかしたい。自分はその辛さを知ってるからこそ、そういう気持ちが湧いてくる。どうにかできるのは自分しかない。そんな気がする。いや僕だけだとダメかもしれない。なら…一番話を聞いてくれた楓の力も必要かもしれない。
とにかく…まずは知ることが大事だろうな…。そもそも相手がどんな人なのかとか、はっきり言ってほとんどわからない状況だから。
そんな事を考えてるうちにいつのまにか暗く深い眠りに入っているのだった…。
コメント
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仲間だー♡