テラーノベル
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目を覚ますと朝だった。
玄関で寝て居たんだ。
「…若井、」
若井はもう帰ったのに、居る気がしてる。
座ると、体がだるい。
熱っぽいし、なんか目眩もする。
立ちくらみや、頭が痛い。
僕は倒れ込んでしまった。
そして、若井にLINEを送った。
―――
。LINE 。
「若井」 既読
数分後、既読が着いた。
若「どうした?」
「立てない」 既読
若「今行く」
―――
今日も朝から深夜まで仕事がある。
絶対に行かなければならない。
数十分後、玄関のドアがゆっくり開いた。
若「もと、き…?」
「立てない…」
若「熱は?」
「無い、」
若井の手がそっとおでこに触れる。
若「嘘つき、熱いよ」
「そんな事ないよ」
若「熱いって言ったら熱いの。」
若井が僕の手を取って、ゆっくり立たせてくれた。
「わ、か…っ!」
立ちくらみで後ろに倒れそうになる。
すると若井が支えてくれた。
なんだかちょっと心がきゅっとなった。
「ありがと、」
若「仕事休みなね、」
「でも…、休んだら迷惑かけそうで、」
若「誰が迷惑すんの?大丈夫だよ、元貴の体調良くなって欲しいから」
若井は静かに口角をくいっとあげて、
僕を寝室まで連れて行ってくれた。
なんだか恥ずかしくて、
若井より涼ちゃんが良くなってきた。
若「冷えピタってあるの?」
「あると思う…」
―――
若井side
今、寝室を出て、リビングで
冷えピタを探している。
「なぁい…」
一番最初に目に入ったのは、
付箋ばっかのカレンダーに、
ソファーにそのまま置かれたギター
そして、何より気になったのが、
机の上にあったメモ帳だった。
好奇心を抑え、それを無視し、
冷えピタを探した。
「冷蔵庫かな…開けていいかな、」
まぁいいかと思い、開けて、
冷蔵庫を見渡した。
「ん、あった」
見つけて、早歩きで元貴の所へ行った。
―――
元貴side
ほんと申し訳ないな…
最近ずっと迷惑かけてる気がする、
向こうはなんとも思ってないみたいだけど、
僕が思ってるのは、苦労で倒れたり、
泣いちゃったりしないかとか…
僕が泣いてるんだけどね。
でも、メンバーが居るからこそ
活動ができてる
若井が部屋に入ってきた。
若「冷えピタ、持ってきたよ。」
その言葉が聞き取れなかったのか、僕はそっぽを向いたまま。
若「元貴?」
「…あ、ごめん、ありがと」
「、帰っていいよ、ごめんね」
若「大丈夫?」
「何が?」
若「最近おかしいって、」
「何もおかしくないじゃん…笑」
若「そう笑って、誤魔化してる。」
「だから、違うんだって…!」
大きい声を出してしまった。
若井はびっくりしている。
「…ごめん、」
僕はもう1回そっぽを向いて、
布団を顔ギリギリまで被る。
若「冷えピタ、置いとくね…何かあったら言ってよね、」
若井の今にも泣きそうな声が聞こえる。
僕は知らんぷりをしてしまった。
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