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※tn×emです。
※私がにやにやするための文章をAIに手伝ってもらいながらつくっています。
※某ゲーム実況者様のお名前をお借りしております。
ご本人様にご迷惑のかかりませんようご配慮お願いいたします。
※( )内のセリフは配信のコメントを表現しています。
ー第十章 祝福の放送事故ー
ある夜。
トントンの撮影部屋には、機材の駆動音と落ち着いた声が響いていた。
tn「……おん、せやな。今日はこれで終わりにするかな。お疲れ様でしたー」
(楽しかったー!)
(お疲れ様ですー!)
トントンは手慣れた操作で配信終了のボタンを押した__つもりだった。
だが、コメント欄が閉じられることはなく、視聴者たちは次第に違和感に気づき始める。
(……あれ?)
(配信終わってない…?)
(気づいてー)
トントンはマイクが生きているとも知らず、大きく伸びをして椅子を鳴らした。
tn「んー…終わったー」
(生活音ありがたい!)
(オフの声、助かる!)
ガチャ_
ドアが開く音が、高感度なマイクに鮮明に拾われる。
em「お疲れ様です、トントンさん」
(え?)
(誰?)
(彼女?)
tn「おう、帰ってたんか。おかえり」
(おかえり!?)
(待って、声がめちゃくちゃ甘い!)
(やばー)
em「配信、面白かったです。お疲れ様でした」
tn「……ん、ありがと。ご飯作りながら見てたん?」
(ご飯作りながら……!?)
(待て待て、この声!?)
(エミさんじゃね? )
(ガチ!?)
em「はい、今日はビーフシチューにしました」
tn「おーやったーエミさんのご飯何でも美味いからなー」
em「ふふっ、最近忙しくて作れてませんでしたからね。……あれ? トントンさん、電話きてません?」
tn「おー、音切っとったわ」
(確定演出きたー)
(今、歴史が動く音を聞いた気がする)
(同棲してたの!? )
(ビーフシチューいいな…)
トントンはふと、デスクの上で激しく明滅し続けるスマホの通知に目をやった。
そこにはメンバーからの、尋常ではない数の着信とメッセージ。
zm:おい! 配信切れてへんぞ!!
sho:ビーフシチュー食いに行くわ
ut:えぐいことなってんぞ(笑)
shp:これ、大丈夫っすか?
そして、今なお元気に動き続ける配信のコメント欄。
tn「…………あ」
(気づいた?)
(バレちゃったーw)
(放送事故ナイスー)
em「……? トントンさん、どうかしましたか?」
トントンの顔から、みるみるうちに血の気が引いていく。
静かな夜は、こうして歴史的な放送事故へと塗り替えられた。
トントンは阿鼻叫喚の配信を静かに閉じ、SNSに一通のコメントを投稿した。
@tn
先程はお騒がせしました。 同棲してます、以上。
@sho:ビーフシチュー食いに行くわ
@zm:俺の分も残しとけよ!!
@utu:やっちゃったねぇ。ご馳走様でした(笑)
@shp:エミさん、ビーフシチューの出来栄えはどうですか?
@em:皆様お騒がせしております。不束者ですが、ビーフシチューは三時間煮込んだ自信作です。
@視聴者A:トントンさんの声が優しすぎて脳が溶けた
@視聴者B:ビーフシチュー美味しそう(そこじゃない)
@視聴者C:公式が最大手だった……
@視聴者D:末永くお幸せに!
SNSを眺めるエーミールの隣に、トントンが力なく腰を下ろした。
tn「……すまんな、エミさん」
em「……いえ、私もちゃんと終わったのを確認してから入るべきでした。……すみません」
二人がしんみりしていると遠慮のないチャイムが鳴り響く。
_ピンポーン、 ピンポンピンポーン!
tn「チッ…あいつら、絶対近くにおったな……」
トントンが溜息をつきながらドアを開けるなり、ゾムが「よっ」と軽い足取りでリビングへ直行する。
zm「おー、エミさん! ビーフシチュー食いに来たで!!」
ut「いやぁ、新居での初飲み会を思い出すねぇ」
sho「……いや、正直やらかすなら絶対エミさんの方やと思ってたわ」
shp「わかるー…まさかトントンさんがやってしまうとは…」
tn「お前ら、それ以上言うたらマジで食わせへんぞ」
em「…まあ折角来ていただきましたしね、みんなで食べましょうか」
トントンが顔を赤くして毒づくのを、メンバーはニヤニヤと眺めながらも、テーブルを囲み始める。
エーミールが大きな鍋から手際よくシチューを盛り付けていく。
湯気とともに幸せな香りが部屋中に広まった。
ut「はいはい、お酒の準備はできましたか。……えー、それじゃあ。トントンの不徳の致すところにより!」
sho「おっしゃ! 同棲公認(強制)記念パーティーや! かんぱーい!」
「「「かんぱーい!!」」」
わいわいと騒ぎながらシチューを頬張り始めるメンバーたち。
zm「うまー!! エミさん、これマジで無限に食えるわ! おかわりっ!」
em「ふふ、お鍋にたくさんありますから。皆さん、お腹いっぱい食べてくださいね」
ゾムが幸せそうに頬張る横で、鬱先生がビール片手にトントンの肩をグイと引き寄せた。
ut「……で、トントンくん。今の気分は? 激甘ボイスを晒した感想を、一言いただけますかぁ?」
tn「……うるさいわ。お前」
shp「……エミさん、トントンさんが重すぎて困ったら、いつでも僕に言ってくださいね。すぐ迎えに来ますから」
em「もう、ショッピくんまで……。おかわり、いりますか?」
tn「……ったく。お前ら、食うたらさっさと帰れよ。これ以上ダル絡みしてくんな」
結局、賑やかな宴は深夜まで続き、メンバーが嵐のように去っていった後。
ようやく静寂が戻ったリビングには、空になった大鍋と、ソファに深く沈み込む二人が残された。
em「……ふふ。…本当に、いい方たちに囲まれてますね」
tn「……あいつらなりに、俺らが落ち込んでると思って励ましに来たんやろな」
エーミールはトントンの手に自分の手を重ね、愛おしそうに指を絡ませた。
トントンは、ふとエーミールの肩に頭を預け、長い溜息をつく。
tn「……はぁ。……疲れたわ、マジで」
em「お疲れ様でした。……大変な夜でしたね」
tn「… …おん。……でも、もう隠さんでええんやと思ったら、急に力が抜けたわ。……これからはもう、堂々とお前を俺のもんやって自慢させてもらうわ」
em「……ふふ。……もう…程々にお願いしますね」
トントンはエーミールの顎を持ち上げ、深呼吸をする間も与えないほど、深く、甘く、独占欲を滲ませたキスを落とした。
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放送事故から月日が流れ、視聴者は「二人が一緒にいること」が当たり前になった。
tn「……よし、今日の作業配信はこんなもんかな。みんな、遅くまで付き合ってくれてありがとな」
(お疲れ様でしたー!)
(今日も助かりました!)
(あ、そろそろあの時間かな?)
コメント欄がソワソワし始めたその時、マイクが遠くで開くドアの音と、柔らかな足音を拾った。
em「トントンさん、お疲れ様です。……コーヒー、どうですか?少し根を詰めすぎですよ」
画面には映っていないが、トントンの隣に誰かが寄り添った気配が伝わってくる。
tn「……おん、ありがとな。ちょうど一区切りついたとこや。……お前も、明日の準備終わったん?」
em「ええ。……あ、まだ配信中でしたか。……皆様、夜分に失礼いたします」
(エミさんキターーー!)
(安定のコーヒー差し入れ助かる)
(トントンさんの声、一瞬で溶けたなw)
かつては「放送事故」と騒がれたエーミールの声も、今ではリスナーにとっての「癒やしのBGM」だ。
トントンはコメント欄の盛り上がりを横目に、慈しむような視線を隣の主に向けているのが声だけで分かる。
tn「……はは。みんな、エミさんの声聞くとすぐこれや……エミさん、こっちおいで」
椅子が引かれる音。
エーミールがトントンのすぐ隣に座ったのが、衣擦れの音で伝わる。
em「……もう、そんなに甘やかさないでくださいよ…」
tn「ええねん、俺がエミさんを可愛がって何が悪いんや」
(開き直りやがったww)
(ご馳走様です!!)
(末永く爆発しろ)
トントンは配信終了のボタンに手をかけながら
マイクから少しだけ口を離し、エーミールにだけ聞こえるような
けれど確実にマイクが拾ってしまう距離で囁いた。
tn「……配信切ったら、……さっきの続き、しような」
em「っ……! ト、トントンさん……! マイク、マイク……っ!」
_ブツッ
真っ暗になった画面の向こうで、赤くなった顔を覆うエーミールと、彼を逃がさないように抱きしめるトントンの笑い声が、琥珀色のリビングに溶けていった。